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身支度を済ませて・・・チェックアウト・・・
ありがとうございました。また、お越しくださいませ。
の声に「お世話になりました」と旅館を後にした。

車に乗って・・・来た道を辿って帰る。

運転する悠介の横顔が・・・男らしくて素敵に見えて。

悠介に見つめられると・・・恥ずかしくて・・・
どうしていいのか・・・分からなくなるのに・・・

「どうした?俺の顔に何か付いてるか?」
「ううん・・・悠介・・・ハンサムだったんだなぁって思って」
「今頃、気付いたのか?」
「うん・・・そうなの。今頃、気付いた」
「会社でも、女子社員に、モテるんだからな」
「えっ?女子社員いるの?」
「いるよ。今年、卒業して入ってきた20歳の子が・・・」
「20歳か・・・」
「ん?」
「もう1度、20歳から、やり直せたらなぁって、思っただけ」
「そうだな・・・そうしたら俺は、成人式に、何が何でも帰って来て
振袖姿の優華に、告白してもらうけどな・・・」
「分からないよ。いざとなったら言えないかも・・・」
「じゃあ、今のままでいいよ。優華は傍に居るし・・・
これ以上の望みは、ないから・・・」
「悠介・・・」
膝に置いた手が・・・悠介の大きなあったかい手で包まれた・・・

「優華・・・急ぐ訳じゃないけど・・・出来れば、近い内に
優華のご両親と家の親に、挨拶に行こうと思うけど、どう思う?」
「うん。そうよね・・・いいよ。私は・・・」
「俺は、土日は、まず休みだから・・・いつでもいいよ。
優華のご両親の都合を聞いておいてくれるか?」
「うん。私も土日は、お休みだから、電話して聞いてみるから」

サービスエリアで、何度か休憩しながら・・・食事もして・・・
高速を降りたら・・・見慣れたいつもの街並み・・・

「帰り道は、早いね・・・もう着いちゃったって気がする」
「また、いつでも連れて行ってやるよ」
「うん・・・」 温泉のお湯が、癒してくれたのかな・・・

何よりも、悠介と過ごした時間が、とても幸せで・・・
きっと悠介とふたりなら、この先、何があっても・・・
一緒に、笑い合って生きていけるような気がしていた。

更新日:2009-07-23 09:48:53

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