• 181 / 201 ページ

結婚


ふたりにとって、大切な日が、来ていた。

腕の中で、微笑むように、眠る優華を・・・
先に、目覚めた悠介は、ただ見つめていた。

愛しい思いは、一緒に生活するようになって・・・
ますます膨らんでいくばかりで・・・
愛し過ぎて、壊してしまうんじゃないかと、時々不安になる。
それ程、優華を愛している自分が、不思議ですらあった。

眠っている優華の唇に、そっとキスした。

「うん?・・・う~ん・・・悠介・・・」

「おはよう。 まだ眠い?」

「今、何時・・・?」

「6時を少し過ぎたところかな・・・?」

「そろそろ起きないといけない?」

「まだ、大丈夫だよ・・・」

今度は、おでこに、キスした。

「優華のドレス姿、早く見たくて、目が覚めたよ」

「そうよね。 花嫁になるんだよね・・・私」

「そうだよ。 世界中で、1番キレイな花嫁にね」

「う~ん・・・どうかな? キレイな人なんて、いくらでも居るけど」

「優華は、自分の事が、分かってないんだよ。
さぁ、コーヒー入れるかな?」
悠介は、キッチンに、向かった。

そう。きょうは、区役所に行って、ブライダルショップで写真を撮って
悠介とふたりだけで、旅行をするのよね・・・。

やっと目が覚めて・・・コーヒーの香りのキッチンに・・・。
トーストとコーヒーの朝食を済ませて・・・。

出かけるための支度をした。

「メイクしても・・・落とされちゃうわよね・・・」

「いいよ。 スッピンで・・・」

「スッピンで、婚姻届、出しに行くの?」

「優華は、スッピンの方が、キレイだって言ってるだろう?」

「どうも、ありがとう・・・」

着替えて、旅行の荷物を持って・・・。
戸締り、火の始末・・・大丈夫・・・。

「さぁ・・・行こうか?」

「悠介・・・忘れ物・・・ない?」

「大丈夫だよ」

マンションの玄関に、カギをかけて・・・車で、出かけた。

更新日:2010-01-09 17:57:54

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook