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死ぬ為の日々。

私は命拾いした。
彼の家に居候する事によって、最悪の事態を免れた。
すぐに近くのバイトを探し、彼の家から高校へと通った。

彼と彼の友人達がとても優しく接してくれたおかげで、とても居心地が良かった。
ただ、どうしても夜中になると泣かずにはいられなかった。意味もなく涙を流して、自分は死なないといけないという気持ちになった。

彼に対しての束縛も酷いものだった。
女友達と聞けば、全て彼を狙う敵に見えた。
彼の存在はもう既に生きる為に残された最後の居場所となっていて、死守する為に必死だった。

そして彼との暮らしが1ヶ月位経ったある夜、やはり夜中に泣いていた私は事に及んだ。
泣いていた夜は、いつも死に方を考えていた。
そして、風邪薬と頭痛薬を一緒に飲んではいけないという話を思い出した。
これなら死ねる。
薬箱の中の頭痛薬と風邪薬を躊躇うことなく全て飲んだ。
一箱ずつだったと思う。
飲んでから、ゆっくりと安堵感が押し寄せた。
そして、眠りにつく前に簡単な遺書を書いた。

ごめんなさい。
この言葉を書く度に涙が零れた。
手紙を四つ折りにして、自分の枕の下に入れた。
ぐっすりと眠る彼の横で彼と手を繋ぎ、ゆっくり目を閉じた。

更新日:2009-04-27 23:48:24

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