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(18) 拉致

「今日君にここへ来てもらったのは、他でもない、君の親友の命を助けてもらいたいのだ。」
「次元はお前らに捕まるほど馬鹿じゃない。」

ここはボストンの郊外の空ビルの一角。もう使われなくなった廃ビルに見せかけた、CIA支部。ここへルパンは呼び出されていた。

武器を取りあげられ、椅子に座らされ、前で両腕に手錠をかけられていた。

後ろにはピンクパンサーこと、カレンがルパンのワルサーを突きつけて立っていた。周りには覆面した男が3人。正面に立っているのは、声から察して彼女と連絡を取っていた男だ。

「ところが20日ほど前、次元大介は我々の医療施設で、ある手術を受けた。」

男は何かの映像プレーヤーを出して、そこに映っている映像を見せた。眠っている次元の後ろ頭にあたる場所の脳内に小さなチップを埋め込む手術の映像だ。

そこは脳幹と言われ、生命を維持するのに欠かせない領域だと、素人ながらもルパンは思い起こした。

「彼の脳に埋め込まれたチップは、マイクロフィルム大だが、高性能のGPS機能(地球規模の位置監視システム)で居場所の探知が可能だ。加えて遠隔操作で決められた時刻に破壊することもできる。」

例え小さなチップでも、脳の一番大切な、生命維持機能に密着している物が破壊されたら、、、。

「あいつでなけりゃ出来ねえ仕事なら、あいつに頼みな。CIAがこんなギャングまがいの脅迫する様になったんじゃ、世も終わりだな。」

更新日:2021-03-21 20:04:58

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