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(6) 誘拐

「だから女の名前はよせって言ったんだ。」

次元は珍しくいらついていた。

ルパンとのお宝探しが、今度もまた不二子の割り込みで最悪な事態を招きそうな予感がした。

それに今、彼には怪しい奴らの尾行がついていた、7人も。

彼の銃は6発しか発射できない。いくら早撃ち0,3秒の彼でも、弾を込めなおすには1秒以上はかかってしまう。

1発で2人、、、どう料理するか、、。

バーボンウイスキーをしたたかに飲んだあくる朝、携帯にメールが入っていた。

「次元、あたし寂しいわ。マディソン・スクエア・ガーデンで待ってるから。リンダ」

なんで俺を呼び出すのが女の名前なんだ。それもカレンとか、モニカとかリンダとか。スコッチとかラオチュウとか他にいろいろあるじゃないか。やな名前だ、全く。

過去の苦い思い出が脳裏をよぎる。

彼がルパンの指定した広場のベンチに座ってから数分で、さらにいやな予感がした。

ビール缶片手の職人風の男、よたってるホームレス、口紅を拾い上げてる女、隣で居眠りしてこけそうになってる老人、広場で清掃にあたってる制服、みんなこっちの気配を覗ってる。

あと2人は次元が歩き出してからこの5人に加わった、町を歩いてる警官姿。

こんな数の尾行に遇ったことがなかった。全員をまく自信はあったが、誰がなんのために仕組んでるのか知りたくもあった。

ビル街が入り組んでる2ブロック先までゆっくりと歩いた。

思ったとおり7人は彼の歩調に合わせてついて来た。

更新日:2015-02-11 01:58:22

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