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(5) 美人捜査官

真夜中の旅客機の座席。並んで会話する峰不二子とその友人のブロンド美人。

「ジョアン、ほんとにあたしに協力してくれるんでしょうね。」
「もちろんよ、あたしたちはずっと友達よ。今、CはIに借りを作りたくない。ぜひLを逮捕し、Iに引き渡して今までの借りを帳消しにしたいの。」

CはCIA、IはICPO。Lはもちろん例のあの彼のことである。

「あなたと古い馴染みでよかったわ。彼が捕まってくれたら、あたしはずいぶん仕事がはかどるし、あなたはあなたで、お手柄昇進ものだしね。」
「うまく彼を捕まえられればね。」
「アンデスでの作戦は痛かったものね。」
「麻薬取締りの作戦は振り出しにもどるわ、助っ人で入った仕事であいつを逃がすわ、、あれがもとであたしはリストラされちゃったのよ。」
「彼を恨んでるの?」
「まあね。知恵比べで負けたのは私のせい、仕方ないわ。で今は派遣なの。この仕事がうまくいけば復帰できるかも。リベンジは考えてる。」
「あなたみたいな凄腕を手放すなんて、Cは馬鹿よ。」
「政府も財政難なんでしょ。」

ジョアン、本部との連絡用につけていたペンダントの盗聴器兼発信機の電源をオフにしたかを確かめる。

あの時不二子は銭形を欺くルパンの作戦を知りながら、彼女にそれを知らせなかった。あの時点ではまさか、CIAのエージェント「ジョアン・スミス」が、かつてのミネアポリス射撃訓練学校での同期生とは気付かなかったからだ。

不二子の、アメリカで知り合った年の離れた旧友だったが、写真を見ても分からなかった。

小麦色の彼女の肌の色はなぜか濃い赤銅色に変わっていた。今見ても別人と思ってもいい程だ。

更新日:2015-02-11 01:53:09

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