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(4) ライバル

空港の待合室のトイレの個室で、本物のルパンは下半身パンツいっちょで震えていた。

もちろん3時間ぐっすりと眠っているほど馬鹿ではない。

睡眠薬で眠ったふりをしながら抜け目なく不二子と友達の女に盗聴器をつけ、大きなトランクには内側から鍵を開けるしかけを取り付けておいた。

トランクが空港の荷物を運ぶベルトコンベアーに乗り、別室に入ったところで脱出。

が、さすがに裸では目立ちすぎる。通りかかった空港のポーターを捕まえて服を脅し取ったのはいいが、ズボンをもらい損ねた。

ポーターを追いかけてる間に、美女を見失った。

「ヘエックショイ!今日13日の金曜日?天中殺?」

トイレの個室で不二子とガルベスの会話を盗聴する。

「クソ、俺の名をかたって、しょうもねえ仕事勝手に引き受けやがって。」



その頃不二子は変装を解いて、ブロンドの友人を探す。友人は出発ロビーで待っていた。

「ルパンに逃げられたわ、まんまと。」
「一応想定内の事態よ、これも。」
「あの黒服たちはなんだったの?」
「あなたが追ってる組織の連中。」
「ルパンも狙われてるの?」
「今、彼を欲しがってる組織はごまんといるわ。ひとまず今日は日本に引き上げ。」
「待って、あの人、あたしたちをじっと見てるけど。」

次元がこちらに向かって歩いてきた。

更新日:2015-02-11 01:50:05

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