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俺と蛸

こんな騒ぎにも一切同じずに眠り続ける佐々木
教授を確認しに行った壱の足の裏が佐々木の顔面を踏んでいる
俺「おい、これ」
壱「あ、これ」
気付いたのに壱は降りようとせずに佐々木の寝息が響く
俺「もしかして…」
壱「寝てますね」
笹蒲は無表情にこちらを見ている
すまなそうに見ていると感じるのは俺かキョンぐらいなもんだろう
俺「いや、笹蒲は気にするな」
そう聞くと笹蒲は寝ている佐々木に目を落とした
壱「どうしますか?」
俺「とりあえず壱は教授を担いで俺が佐々木を担ぐから、笹蒲は俺らを浮かして船まで行けるか?」
小さく笹蒲は頷き壱は外の教授を
俺は寝ている佐々木を
二人とも担いで笹蒲に近づく
俺「じゃあやってくれ」
笹「御意」
するとふわりと浮き直ぐに島の全体が見える高さまで登っていた
俺「以外に広いなこの島」
壱「半分以上は手付かずの自然ですよ」
眩しい日差しに地平線まで海しかない
俺「圧巻だな」
壱「綺麗ですね」
なぜ教授が話してないかと言うと気絶しているからで、別に居ないわけじゃない
すると笹蒲がポソリといった
笹「マスター」
俺「ん?」
笹「船の場所」
俺「あぁ、悪い悪い、壱」
壱「はい、あちらになります」
手を差したほうに船があり停泊しているのが見える
笹「御意」
壱「よろしくお願いします」
やはり速度が早く直ぐに船に付いた
時計を見るともう五時すぎていた
壱「船上で朝食としましょう、一先ず私は屋敷に戻り皆様を起こしてきます」
俺「おう、頼んだ」
すると壱は腰を落とし姿を消した
てっきり『このクサナギの剣はですね…』と話始めるのかと思ったのに
笹蒲と二人で教授と佐々木を仮眠室に運び甲板に座り登り落ち着いた日差しにキラキラ光る海を見つめて時間を潰す事にした
俺「見てない技とかある?」
笹蒲は無言でこちら見て頷いた
俺「暇つぶしに見せてよ」
笹蒲はまた無言で頷いた
笹「ミサイル兵器」
多弾頭ミサイルなのは変わっていないが爆発すると煙だらけになった
笹「煙幕」
俺「なるほど攻撃力はゼロか」
笹「ミサイル兵器」
笹蒲は人差し指を構えて、一瞬電気のようなバチと音がして海の底が見える
笹「レールガン1」
波が船を揺らす
俺「すごいな」
笹「ミサイル兵器」
笹蒲は先程と同じ態勢になり空いている手を肩に当てる
バチ、ヒュンと音が聞こえ海が割れる
笹「レールガン2」
俺「怖いな」
笹蒲は手を止めこちらを見た
俺「いや、すまない続けてくれ」
揺れる船内で笹蒲は両手を前で組んだ
笹「ミサイル兵器」
バチンと弾く様な音共に笹蒲が後ろに飛び壁に当たる
海は当たり前のように割れ二三キロ先で巨大な水柱が立つ
笹「レールガン3」
そういうと笹蒲は手のひらを前に出し
笹「ミサイル兵器」
ポンと音と共に目で追える早さの玉を打ち出した
しかし、やはりというべきか
水柱が立った
揺れる船内
降ってくる魚
笹「ナパーム」
俺は笹蒲がどれだけ兵器か、わかり始めていた
俺「笹蒲、ミサイル兵器はあと何個ある?」
笹蒲は少し考えて
笹「あと少し」
曖昧に答えた
これは壱が居ないとわからないな
俺「じゃあレーザーは?」
笹蒲は少し首を捻り
笹「沢山」
とまた曖昧に答えた
俺「じゃあ一番強いの見せてくれ」
笹「ミサイル兵器ならレールガン3」
俺「じゃあレーザーは?」
笹「今やる?」
疑問に聞こえない抑揚の無い声に俺は頷いた
笹「粒子兵器」
両腕を広げ綺麗な円を描く、円には高エネルギーが圧縮されているのだろう、船がガタガタ言っている
その円を次第に小さくしていく
そうして最終的に顔の前で手を重ねる
強引に手を引き離すと船がますますガタガタ鳴いた
そして目から今まで一番のビームを打つ
しかしそれだけではない
手と手の間を通って細いビームになる
わかりやすいように少し体をずらし横一線にビームを打つと水の壁が出来高エネルギのせいか水が蒸発爆発して閃光が目に刺さった
すると水が急に引きはじめ巨大な津波がこちらにむかってくる
少し泣きそうな顔の笹蒲がこちらに振り向き
笹「マスター…」
と言ってきた
俺は笹蒲の頭に手を置いて俺「気にするな」
と言った
笹「はい、マスター」
俺は干上がった海底に降りどうしようか少し考えた
到着まで一分もないだろう
しかし俺は顎に手を当て唸っていた


更新日:2009-04-12 21:10:38

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