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俺と船

ある岬に立っていた
そこは絶景とは言い難い
低い立地で
申し訳程度の展望台と
白く塗られた灯台が立っていた
灯台だけが立派と言ってもいいぐらい
見渡すかぎり何もなかった
展望台から斜めに降りる階段につながっていて
桟橋へと続いていた
そこには一雙の船が停泊していた
?「あれがその船か…」
それは客船だった
そもそも何でこんなところに居るのかと言うと
話は今朝に戻る

家に一通の電報が届いた
あれは正午前の10時頃だったと思う
少し前に起きていた俺は鳴らされたインターホンに
手を付けていた作業をやめて
玄関に行った
郵「電報です」
はて、電報とはめずらしいものが届いたと
そのミッ○ーマウスのぬいぐるみを受け取った
手で持っている筒の中には
〔にさじさにきときうょだういじねゅ〕
と書いてあった
もはや暗号でもなんでもないと
用意もそこそこに灯台に向かった

で今に至るというわけだ
予定の時間から少し早くついた俺は
まだ昼過ぎの海を見ながらふとこれから起こることを考えていた
するとそこに男があらわれた
男はスーツ姿でやせ形の男だった、さながら使用人のようだった
男「おまちしていました」男は俺に話しかけてきた
俺「はい」
するとやはり客船に通された
客船には他に人がいるようだった
姿までは確認できないがもの音がしていた
甲板より一つ下がった部屋に通された俺は
奥のソファーに腰を下ろすとさっきの男がウェイターの様にグラスを数種類乗せて現れた
男「何がお好みでしょうか?」
俺「では、そこのワインでも貰おうか」
男「かしこまりました」
そう言うと
横にあったテーブルにフキンにチーズとクラッカー
ワインを置いた
男「それでは御用がありましたらお声掛けください」そう言って去ろうとする男に少し手をあげて言った
俺「失礼、少し質問してもよろしいか?」
男「はい、なんなりと」
俺「君は今から何が起きるかご存じかな?」
男「それは、あなた様の目でご確認ください、私からは何も言えません」
俺「そうか、では君の名前は何ていうのか?それ位は答えられるかな?」
男「はい、私は壱と言います」
俺「なら壱くん、君はどうかな?私のようなものを監視している気分は」
壱「いえいえ滅相もありません、私はあなた様にお使いするよう言われております」
俺「ありがとう、もう下がってくれたまえ、また何かあったら呼ぶよ」
壱「はい、では失礼します」
そういうと壱は裏に下がっていった
実際は向こうから見えるようになっているのだろう
そんなことは今は重要ではない
コレでわかるのは
どこかで何かが起こる
そして壱は雇われている
たぶん呼び出した人物に
そして個人に使用人を付けて監視じみた事をしている
逃走不可って事を意味しているのだろう
まぁ立ち入ってしまったのはこちらからだ
何も心配することはない
成るように成るだろう
しばしの間だろうがここで寛ぐ事にしよう

更新日:2009-04-14 17:08:17

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