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2 パン屋の厨房。

   狭いながらも計画的に物が置かれている為、余り狭さを感じさせない。
   木製の棚にはまだ焼かれていない、様々なパンが寝かせてある。
   粉がふかれた台で、ケニーは台の中央にあるタイマーを見ながら、一生懸命にパン生地を練っている。
   タイマーのカウントが0になって電子音が鳴り響く。
   ケニーはパン生地を錬るのをやめ、隅にあるオーブンの方に向かう。
   そして、オーブンの脇にある手拭で手を拭くと、オーブンのドアを力一杯開ける。
   もわっとした熱い空気が噴き出るも、ケニーは動じずに中を見る。
   中には金属で出来た直方体の箱が幾つも並んでいて、ケニーはそれを1つ取り出す。
   調度良く狐色に焼けた食パンが入っている。
   ケニーはそれを見ると頷き、台に置くと次々とオーブンから箱を取り出して並べていく。

更新日:2009-03-16 17:27:25

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