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孤独な出産

私は20歳、森山君がずっと信じていた兄紀夫に騙され、彼が保証人に「100万の借金」、彼もそんな兄にウンザリしてきたらしい、だからといって紀夫に怒ることも無く、バイトすることもない、私が渡す1000円の小遣いで毎日パチンコ、結構、勝っていてたまに生活費としてくれていた、がヤッパリ働いてほしい。こんな意味のない借金返済に私は疲れストレスもピーク、しかし悩んでいても借金は終わらない、返さなければ、ぎりぎりの生活費から月々3万ずつ返済していった、それでもバカな私は、森山君と一緒にいられるだけでそれなりに楽しかったのだ、そんなこんなで私は二度目の妊娠「ヤッター」今度こそ、産むぞー、勢いで働いた、森山君に「子供できたよ」と告白だが彼はまだピンときていないようだ、彼の母に相談、返ってきた言葉は 「おろしなさいよ」 何で?又?彼は 「うん」 とうなずいた、私は崖から突き落とされた気分だった、 実家へ帰ろう、少し時間を置けば・・・一人で実家へ帰る途中今まで味わったことの無い痛みが、お腹なのか背中なのか判らない、モウロウとして足先を見るとタラタラと血が流れ、道路が真っ赤に染まっていくのを見ながら意識を失った、こんな感覚は初めてだ、スーっと力が抜けた、救急車の中だ、薄らいでいく意識の中、周りの声が小さく響く・・・ 気がつけばベットに寝ていた、私の赤ちゃんが 死んだ ・・・・ 「疲労によるものですね」その先生の言葉に、私だけが何でいつもこんな目にあわなきゃいけないの、何で・何で・何で・・・・2日後、森山君がつらそうな顔をして迎えに来た、ポケットからくしゃくしゃの1万円札が3枚、一応心配してくれてるんだ、3万円も?そのお金をどうやって用意したのか今だに私は知らないが、そんな不器用な彼の行動が私に笑顔をくれた、病院から彼に連絡してくれたらしい。
しかし流産した悲しみはすぐには消えない、出会ってから3年、未だに働いてくれない、何かのきっかけですぐ切れ殴る、意味の無い借金、このままだとお互いが駄目になる、森山君への気持ちを整理するまで何日かっただろう、無理矢理の決断だった、私は友達、みどり の家に逃げるように、彼の前から消えた、友達の世話になるのは少し窮屈だったが、感謝し安堵していた、6日ほどたち彼が私を探し訪ねてきた、私はとっさに隠れてしまった、みどりは優しい口調で言った、「元気?大丈夫?いい加減働いたら?ななみは連れてかせないよ」 森山君は「あいつ服もってないから・・」私の洋服がくちゃくちゃに入った紙袋を玄関に置き、帰っていった。森山君が車にエンジンをかける、会いたい一目顔を見たい、追いかけたかった、優しすぎだよ 森山君. また涙

更新日:2009-03-13 10:11:40

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激動人生「生と死」・・・・・幸せになるまで