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子供たちも ・力・( つとむ ) ちゃん 力 ちゃん と馴れ、親しんでいた。 友一と、マンションで、毎日住むように なっても、 ・力・ は変わることはなかった。 私が年に 二、三 回ほど、友達と 飲みに 行くときでも、力 は友達の 送り迎えまで してくれ、私の友達も、 ・力・ を かわいそうに 見えたのだろう、会えばいつも 「 こんな年の離れて、男のいるような女 止めて、新しい人生 見つけなさいよ、まったくぅ、 ナナミの何が いいの? 」 と、助言してくれているのだが、 ・力 ・ は人の気持ちを 、知ってか知らずか、いつも決まって 「 大丈夫です、好きですから 、ずっと傍に居ます 」 友達は 「 はぁ 」 と、ため息をつきながら 「 友一さんだって居るんだし、結婚どころか、付き合うこともできないんだよ ・・ 一生このままでいいの? 」 すると 力は ・・・ ニコニコ 笑いながら、「 はい 」 と、 堂々と胸を 張る ・・ この男の凄い所が、ここだ ・・ ! 人に何を 言われようが、動じることなく 、同情を 引く わけでもなく 「 自分は、このままでいいです、前世は ナナミさんのペットで、犬だったと思います。 」 この びっくり発言で、友達たちも、あきれ果て ・・ いつも こんなパターンで、黙るしかないのだ ・・・ 。 私も ・力・ には ビックリする事 ばかりだが、内心 こんな風に、言ってくれることが、嬉しく 一回りも年上なのに、女として魅力が あるのかな? なんて 励みになるし ・・ 友達の言うとおり 、付き合うことも できないけれど ・・ 悪いとは思うが、縁を 切っても 切っても、ついてくるので仕方ない。 だが私も、こんな 何でもしてくれる ・力・を 違った意味で尊敬している ・・ 。 おかしい話だが、ここだけの話、友一に無いところを ・力・ が補って、私のバランスを、 とってくれているような、 無論、決して男を 馬鹿にしている わけではないのだが、浮き沈みの激しい 私の性格にとって、 友一は 優しく 寛大な心・小さなことは気にしない・いいことは良い だめなものは駄目と メリハリのある所・私を 何よりも 信頼してくれる。 ・力・は 何でもしてくれる所・私にも子供にも 怒ることがなく・言われたことはしてくれる 。 友一は 面倒なことが嫌いで、たまに子供が 「 雨だから 駅まで 送っていって 」 と言うと、 嫌だ と顔に書いてある くらい解りやすく、 私も 子供に友一を 、嫌って欲しくないので、気付かれない様に 、「今日 ・力・ 休みだから 送っていってもらうから ・・ 」 こんな具合で 、補ってくれている。 この二人の共通点は、絶対に私を 裏切らない ・・・・。 これが私の自慢だ ・・・ 二人のバランスが、絶妙に 私に ぴったりきているのだ。 ずっと、そう 信じていた。 だが 私の 自惚れも、そう長くは 続かなかった ・・・・ 。 ある日のこと、 ・力・ が突然 「 もう お金がありません 」 はっ ? どういうこと ? ・力・は泣き出しそうな顔で ・・ そっと 私に一枚の封筒を 差し出した!

更新日:2009-05-13 13:22:27

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激動人生「生と死」・・・・・幸せになるまで