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孤独
お葬式も 終わり、まだ 一ヶ月以上は、バタバタ するのだが、少し 「 ほっ 」 とする時間が できた。 友一から、別れを 切り出されてから、3日ぶりに、電話を してみた 「 ごめんなさい、忙しくて 連絡できなくて、お葬式 終わったから ・・・ 。 」 「 いまさら、暇になったからって、電話ですか? 」 イヤミ から 始まった。 私だって 友一のこと、考えてなかったわけじゃない、仕方ないじゃない、こっちには こっちの事情が あるんだし、怒り浸透 ・・・ 。 でも 寂しさが前に出て 、別れが 怖くて 言えなかった。 普通の別れなら、私を 嫌いにでもなったのなら、絶対に 別れてやる、でも これは違う、引き下がれないし 納得できない 、別れるなら、きっちり話を して からだ 「 ごめん・・お葬式に呼ばなかったことは、本当に悪いと思ってるけど、常識的に考えて ・・ 不倫は良い事じゃないし、わざわざ 和樹のお葬式で、公表したくないし 、変に 勘ぐられても 嫌だから ・・ そう思ったから 。 」 友一は 「 も し、俺の家に 嫁に来てくれるなら、仏壇は持って来れないから、一家に 二つも 仏壇は おかしいだろ 、位牌 を お寺に預けるなら、別だけど、そんな事 お前に できるわけないし ・・ 子供だって ・・ 俺は俺なりに、 いろんな事 考えて ・・ 、ヤッパリ 俺の負けだな! 和樹の勝ちだ ! 」 和樹の勝ち? 勝ち負けって どういうこと? 友一は 怒り気味で、話していたが 、落ち込んでもいた 「 最後まで、お前は 和樹の もののまま、あいつは、お前を 自分のものに したまま、死んでったんだ ・・ 俺にナナミを 、最後まで、絶対に 渡したくなかったんだ! アイツ自分のものに・・ したまま ・・ 」 友一 ぃ おかしいよ、 私は物でも なんでもないし ・・ 「 和樹は 死んだのに、勝ってるわけ 無いじゃない、何に勝つ っていうの? ・・・ 友一 聞いて! ちゃんと 聞いてね、 これからの人生、子供たちの成長も 見られず、旅行することも、子供と衝突して、悩みを 解決することも、叱ることも、喧嘩して 仲直りして、お互いを分かり合って、絆を深めたり、一緒に笑うことも、何もして あげること できないんだよ、 これが どういうことか 解る ? 死んだら 何にも、無くなっちゃうんだよ ! 」 私は 泣きながら 、訴えた 。 ・・・・・・・・ 負けたのは和樹だよ ・・・・・・・・ 。 勝ち負けで、判断するとしたら、友一 あなたが ・・ 勝ったんだよ。 だから もう、止めよう ・・ 。 これ以上、和樹の死について、友一の立場から、友一をかばいながら 話していると、和樹の死が、無意味なものに 、汚いものになって いきそうで、嫌だった。 反面、 友一の中にも、 嫌な人間を 見たくなかった。 この時の わたしは、言い争いや、わずらわしい事は、少しでも 避けたかったのだ ・・ 今、いや、これからは、今まで以上に、友一の 支えが、必要なのだから ・・・ 。
更新日:2009-04-29 10:39:09