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お父さん子の マナは、私の家に泊まることが、少なくなっていた、学校から帰ってくると、一目散で 帰宅し、私の作ったおかずを 容器にいれ、向こうの家に行き、自分でご飯を炊いて、お父さんの帰りを待ち、2人で晩御飯を 食べているのだ。 「 いつも 一人じぁ かわいそうだから、お母さんも 毎朝 私を、あっちの家まで 送って行くの疲れるでしょ 」 確かに、奈々 も サナ も、高校に入り 送っていく 必要はなくなったが・・・ マナが素直すぎて? ”何かある” 私は このとき、そう思った ・・ 。 夏休み・・ 和樹から電話だ、「 休みがとれたから、たまにはみんなで どこか行こうか? 早めに親父のところに行って ”いざ出発だ” 」 奈々と 私は、あまり 乗り気では無かったが、サナとマナが、久しぶりの 家族団らんと、嬉しそうだった。 父の面会を終え、和樹は 私たちに笑顔で、 こう言った 「 めったにないぞ、2日間 休みがとれるなんて 」 私たちを喜ばそうと、2日間ということを、黙っていたのだ。 子供たちは喜んで 「 どこか泊まりに行こう!行こうよぅ 」 「 えっ、でも明日、私 仕事が 」 そこで 和樹が 「 休んじゃえ、休んじゃえ 」 まったく もう 、自分は 風邪ひいても、熱があっても 絶対、休まないくせに! ん、もう 、「 仕方ない、じぁあ 行こうか? 」 私は、和樹の飲酒運転を避けるため、船でいけるところを探した。 ここから、私たち 最後の、家族旅行が始まった・・・・ 。 何も 計画の無い、行き当たりばったりの、小旅行だ 。 島に着いた。 案内所で、 おいしい食事を、出してくれる 宿を 探してもらい 、家族みんなで、宿を目指し のんびりと、小さな島を 歩いた 。 一方 和樹は、酒屋を 探していた・・・・一軒の 酒屋発見。 「 こんにちは、こんにちは~、誰か居ませんかぁー 」 5分たっても、誰も来ない、人の気配すらない、仕方ない・・・ 缶ビール2本に、焼酎3本、ジュースを4本 ・・・ おいてあった 袋につめた。 お金は 少し 多めに、机の上に 置き 、宿へ向かったが、何故か 気が引けた、お金は置いてきたものの、悪いことを したわけでもないのに、すっきりしなかった。 宿に着き 、気になっていた、酒屋の話をすると 「 あ~、あそこはいつも、”ばあさん” 居なくて 困るんだよ、大丈夫だよ、お金、そんなに多く おいてこなくてもいいのに! 」 気の良さそうな、店主の言葉に安心した。 宿は ひっそりと、のんびりし、平日ということもあり、私たち以外 お客は居ない様だ。 なんだか 和樹に ピッタリの島だ。 お風呂につかり、お酒を飲みながら 、豪華な食事、歓声をあげながら、写真をパチリ。 楽しかった。 これが最後の旅行になるなんて、誰も思うわけも無く ・・・ 私は家族で旅行に行っていると、ばれないように、和樹に隠れて、友一に電話をしていた。 今思えば こんな小さなことで、隠れて電話なんて、私 最低! 和樹 本当に ごめん、ごめんね。
更新日:2009-04-04 13:28:28