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突然の・・・・
奈々が、合格したことを、友一も喜んでくれた。 友一は お祝いにと、子供たちを 連れ、5人でまさかの、ハワイ旅行を プレゼントしてくれるというのだ。 「 また また 冗談を! 」 「 本当だよ 」 私たちは、目が点になった ・・・ 初めての海外だ。 何はともあれ、私たちは 早速パスポートを もらうため、申請した。 以前から 「 ハワイいきたいナァ 」 と 言ってはいたが、友一が、全額出してくれるなんて、夢のようだった。 お小遣い くらいは、私も何とかしなくてはと、子供一人につき、5万円、私は10万円、かなり 奮発した。このくらいあれば、大丈夫!? そう思っていた・・・ 。 和樹には、私の母方の 北海道にいる、親戚の結婚式で、母の代わりに 出席することになった、とウソをつき 、その間の、父の事も お願いした。 和樹に悪いな、嘘をついてまで、父のわがままから 離れられる、私の気持ちは、かなり複雑だった。 だが初めての海外旅行は、楽しみで、、楽しみで 仕方なかった ・・ その日はすぐに、やってきた。 飛行機 は狭く、寝足らず、頭はボーっとしていたが、初めての飛行機 だからか、それなりに 快適だった。 空港に降り立ち、まず感じたのは、温かい風と、花の香り、ナイス ハワイ! 芸能人が、あほのように ハワイ・ハワイ・というわけだ、開放感 ・ 現実逃避 ・ 何もかも忘れて楽しんだ。 しかし、持ってきた10万なんて、アッと言う間に、すっからカンだった。 海外を甘くみていた。 昔から カードやら 何やらは、私の性にあっていないし、怖いイメージがあったので、一度もカードを作ったことが無く、こんなことなら 1枚くらい、作っておけばよかった。 失敗した。 だが、 友一が 私たちの、足りない分は、全てカードで、だしてくれた。 友一、大丈夫? 気にはなったが、お金よりも、私たちは 完全にハワイのとりこになっていた 。 レンタカーまで借り、お金持ち 気分だった。 一週間のハワイ旅行も終わり、日本へ ・・・・ 。 厳しい日々が待っていた。 奈々の 通う高校は 、家から 駅まで 、自転車で20分、電車で30分、そこから学校まで、徒歩15分、この往復を、3年間続けるのだ。 雨の日も 風の日も ・・ 自分の為に 頑張って貰わねば。 私も電車代を 何とかしなければ、かなりの金額だ。 ハワイ に行き、 心も 体も リフレッシュ したおかげで、また 主婦としても、仕事にも、介護にも、前向きになれる 気が していた。 和樹の休みの日、子供を連れ、いつものように 老人ホームへ、奈々が 高校に 受かったことを 伝えると、 父は 自分のことのように 喜び 、自慢げに 同じ部屋の人から、看護師さんたちに、「 うちの孫が、高校に ・・ 」 って 「 すごいじゃない、頭 いい高校じゃない 」 どこか 言わしてる感が ・・ 誇らしげな父の顔 、そんな父を横目で見て、和樹も、まんざらではない 様子だった。 嬉しいのは 分かるが、奈々も 私たちも、かなり恥ずかしかったのを 、覚えている。
更新日:2009-04-02 09:09:47