• 28 / 72 ページ
受験番号 501 番 ゆっくり 、恐る 恐る 、上から順に 番号を 確かめながら、「 大丈夫、大丈夫 」 不安とわくわく感で、いっぱいだ。 番号を 1つ、1つ、読むように、ドンドン 目を下に・・奈々の 不安そうな 顔が浮かんだ。 そのとき 「 あったー、501番だよな、あったぞ、あった! 」 周りなど、お構いなしに、和樹が叫んだ。 おばあちゃんも、私も とっさに500番台に目を移し 501番を 確認 、目視 、アッター ! 飛び上がった。 うれしくて、うれしくて、 思えば、ここ何年かぶりの、嬉し泣きだ ・・・こんな環境の中、奈々は よく頑張った。 心からそう思い、褒めてやりたい。このとき一瞬だったが、世界が違って見えた。本当に、ほん の 一瞬だったが、私たちの周りは、輝いていた。 ほっと胸をなでおろし、笑顔で 3人 駐車場へ向かった 車に乗り、現実に戻った 。 泣きながら、母が話しだした、 「 奈々は 賢くていい子だから、これからも しっかり育ててよ、まぁ 半分以上 私が 育ててる みたいなものだけどね、 あの子は昔から私に似てるから・・・ ほんと、 トンビが 鷹を 産んだ・・ そんな感じだね 」 でた、でた、おばあちゃんの悪い癖だ、奈々を 自分の子供よりも 大事に思い、ひいきする。 他の孫たちも 、そんな おばあちゃんの、奈々贔屓は すっかりお見通しだが、 誰一人、すねたり ひがんだりしない、私は何よりも この子たちを 褒めてあげたい。 早く おばあちゃんも、孫6人、みんな 奈々ぐらい いい子だと、気付いてくれたら いいのにナァ・・・。 私たちは 奈々の待つ、中学校へ急いだ。 奈々と約束していたのだ、 今頃 奈々は学校で、ドキドキしながら 、私からの便りを 待っているに違いない。 もしも 合格なら、下駄箱の靴の中に、合格 と書いた 紙を入れておいてと ・・・・。 学校でも知らせてくれるのだが、合否 は、昼になるから、「 合格してたなら 早く教えてね。 」 受験した日の夜に、約束していた。 奈々の靴に 「合格」 とだけ、書いて 私たちは帰った。 奈々が、学校から 満面の笑みで、帰ってきた。大きな声で 「 お母さ~ん、ありがとー ビックリしたよ~ ! 2 時間目の放課に、下駄箱いっったら、紙が 無くて 3 時間目の放課に 行っても、紙が入ってなかったから、もうだめだって、諦めてたら、「 友達が何かあるよ 」 って、よーく見たら、靴の奥のほうに、本当に紙が入ってた 。「 合格 」 って 赤で、書いてあった、ありがとう これから又、勉強頑張るね 。 」 奈々は、本当に嬉しそうだった。 1年前の 事が浮かんだ。奈々は、クラスで 仲間はずれにされ 、学校をやめたい 、と いったことがあった、私と奈々、先生と いじめた本人、4人で 4 時間にも及ぶ話し合いをした、当時 クラスの担任が、とても良い先生で、一人一人を 理解し、時間も惜しまず、納得できるよう説得し、解決してくださったのだ。 この先生がいなかったら、今このときは無かった、忘れまい。感謝。

更新日:2009-04-01 11:02:50

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

激動人生「生と死」・・・・・幸せになるまで