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合格発表
私もまた、病院に通うようになってしまった。 友一との 週末婚も、それなりにうまくいっていた、 崩れかけていた 私に 優しく接してくれた、和樹が 老人ホームにいけない日には、友一が 私と子供を、老人ホームまで、乗せていってくれたことも あった。 誰にもわからないように、隠れながらだったが、これも またスリルがあった。 しかしつらいこともあった、 友一は 私に 「 ななみは 離婚する気は 無いの? これ以上、俺は ななみといても、結婚はできないの? 和樹と 死に別れだけは 嫌だからな! 」 はっ 「 何で? 死に別れはだめって、死ぬわけないでしょ ! 」 少し怒り気味に 言うと、「 仏壇と一緒に 結婚なんて 嫌だから ! 」 あぁ そういうことか? それはそうだなぁ、そんなことまで考えたこともなかった 、「 友一ごめんね 」 でもこんなこといわれるなんて 、縁起悪いし、気分が悪く、 頭にきた。 こんな風に、責められることも 度々あった。 だが 友一の立場になると、 そりゃあそうだ、こんな関係が 何年も続き、不安になるだろうし、 嫌気が差すに決まってる、でも、私は 和樹と、離婚できない! とは、言えなかった。 ずるい考えだが、 私は昔から、一度やり遂げようと 決めたことは、断念したり 諦めたり することは、嫌いなたちなのだ。 奈々の、高校受験 間近。 同時期 奈々に変化が起きた。 女の子特有の、大人の男の人が不潔に思えたり、気持ち悪かったり、奈々には今までなかった、思春期 と反抗期 が、一緒に来た感じだった、お父さんには、何度かシカトしたり、友一にはかなり冷たくあたっていた。和樹も友一も、状況はわかっていても、寂しく悲しかったに 違いない。 私もそれとなく叱ってはみたものの、自分自身、こんな気持ちになったこともあり、あまり神経質になっても、いい方向に向かわないと、判っていたから、自然に納まるのを、待つしかなかった。 奈々も 恋愛を して、いろんな意味で、いろんな経験をすれば、大人の仲間入りができ、こんな違和感はなくなるのだ。 もう少し成長を 待とう・・・・・・。 こんな最中 受験が待っていた、 奈々は、私が思っていた以上に、頭がよく、この辺では 上から3番目くらいの 高校に受験した。 和樹は勿論、私もそれほど頭も良くなかったので、まさか うちの子が! そんな気持ちだった、塾なんて行かせる 時間や余裕も無く、私の家に居る時は、殆ど3人が 小さな机に向かって、勉強をしていた。 今思うと 、我が家にはゲームも無く、家は狭く、テレビも小さく、ほかにすることが無かったのか、感心するほど勉強してくれていた。 合格発表 当日、偶然にも 和樹は休みの日だった。 緊張しながら、私と、おばあちゃん、和樹、の3人で受験した 高校の庭へ、和樹はビデオを 回しながら合格発表の紙を待った・・・・・ 時間だ、白い紙が貼られ 、周りにも緊張感が走った・・・・・。 私は 息を飲んだ。
更新日:2009-03-31 17:42:12