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第三章

カツーン、カツーン…

石造りの床を歩く時の独特の足音が、城の 地下へと続く螺旋階段に響いた。

先頭は松明を掲げた、フローラのお父さんこと、ハーメンブルクの王様。それから順に、フローラ、あたし、ラファエラ。しんがりからヴァンがもう一つの松明を照らす。

夢のようなパーティから一晩明けて…
あたしたちは、導きの泉があるという、ハーメンブルグ城の地下室に向かって階段を下りていた。

「未散、なんだか目が腫れぼったいですわ。どうかしましたの?」
心配そうにフローラがあたしを振り返った。

「うん…なんだか、昨夜は眠れなくてさ」

「…まあ…やはりそうですわよね…世界の平和がかかっている… 重みのある旅に出なければならないのですものね…。…これからのことを思うと…不安になってしまっても…仕方ありませんわよね…」

気遣わしげに、言葉を選び選び話すフローラに、あたしは明るく笑って答えた。

「あはは!違う違う。昨夜はね、興奮しちゃって眠れなかったんだ。 なんだか遠足に行く前の夜みたいに、ワクワクしちゃってさ!」

「遠足…ですか?」

フローラが目を丸くする。

「不謹慎だよねえ、あたしって。こんな重大な、責任ある旅に出るって言うのにさ。ま、そりゃあ不安がないって言ったらウソになるけど…それよりも、その先どんな出来事が起こるのか、どんな冒険が待っているのかなって考えたら、もうワクワクしちゃう気持ちの方が強くなっちゃってさ!」

後ろから、ラファエラが豪快な笑い声を上げた。

「ははははは!!お前らしいな、未散!やっぱそうでなきゃな!重みに押し潰されるよりかは、それくらい肝っ玉があったほうがいい。やっぱサイコーだぜ、お前!」

更新日:2008-12-13 21:14:59

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