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第八章

「うわぁ、ゆきだぁっ!」

 空から降り注ぐ、白くて冷たい物体に、あたしは子供のような歓声を上げた。
 ボオオオンと、近くで銅鑼の音が響いた。

 ラファエラとフローラと、王様に見送られて、ハーメンブルクの城の地下にある『導きの泉』をくぐったあたしたちは、降り注ぐ雪に歓迎されて、大きなお城の城下町らしい場所にたどり着いた。

「…ダルカスハの城…だな」

 博識のウィンが、空を見上げながら小さくつぶやいた。

「ダルカスハ?」なんだかおもしろい響きだな。この新しい場所でどんな冒険が待っているんだろう?そう思うと、少し気持ちが明るくなった。あたしは振り返って、ウィンに問いかけた。

「どんなところなの?ここって」

「凶暴な魔物が多いせいか、昔から武勇を重んじる風潮があるんだ。ほかの国とはあまり交流を持たない。そのためか、独特の文化が栄えたんだ」

「へぇー…」

確かに周りを見ると、今まで行ったことのある町とかとは、かなり雰囲気が違う。建物の様式も、そこを行きかう人々が着ている衣装も。どう例えればいいのかな?しいて言えば、中国と、インドっぽいのを、足して二で割ったようなかんじかな?

そういえば、RPGゲームとかでも、よくでてくるよね。一箇所だけ、文化が違う(アジアっぽい感じかな?)国って。

「うぅー…どうでもいいけど、寒いぞ、ここ」

ヴァンが自分を抱きしめるようにして、震えながら言った。
そっか、炎の竜だもんね。寒いのは苦手なんだ。

「そりゃそうでしょうよ。雪が降っているくらいなんですもの」

ヴァンとは相対する属性を持つフォンは、どちらかというと、平気そうだ。

「そういえば、どうも妙だな。ここは温暖な気候だと思ったのだが…冬でもないのにどうして雪なんかが降っているんだ?」 

 ウィンが、また空を見上げて、神妙な顔つきになった。

「言われてみればそうよねぇ…よくわからないけれど…とりあえず、どうたらいいのかしら?わたしたち…」

フォンが誰にともなく問いかけるようにしてつぶやいた。
あたしは少し考えてこういった。

「えー…と。そうだねぇ…とりあえず、お城に行ってみない?ただの普通の町だったら、情報収集は酒場が手っ取り早いんだけど…お城があるんなら、物知りな学者とか、伝説とかに詳しそうな人がいるんじゃない?ゲームでも、王様に挨拶するのは、基本中の基本だしね!」

 久々に、あたしのゲームモードがオンになって、目が生き生きと輝き始めた。

更新日:2009-01-17 17:04:32

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