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第7話『運命の離別とズルイ約束』

・:・:・:登:場:人:物:・:・:・:・
松尾リク(主人公)
筒井君(筒井道隆さん風)
葛山君(葛山信吾さん風)
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「その彼とはもう別れると思う…」


 葛山君の前でいきなりそう口にしてしまったけれど、
筒井君との長く深い愛を実際に考えると
当然そんな簡単に答えは出ない。

 悩みに悩んだ。






 出会い方は夜中のナンパ。
あまりいい出会いではなかったけれど、
葛山君はとても真剣に私を好きになってくれていた。

 あのドライブデートの日、それを語ってくれた。
語られた言葉もそうだけど、
筒井君の存在を告げた時のあの葛山君の落ち込んだ姿、
大人でスマートな彼のみせたあの動揺が
何より彼の思いを語っていた。



 私もまた、葛山君にのぼせあがってた。
命を賭けてでもと誓い合った筒井君への愛は
決して消えた訳でもないし冷めた訳でもないけれど、
マンネリという魔物に犯され、また最近は喧嘩ばかり。
そんなストレス感も手伝って、
私は葛山君とちゃんと付き合いたくって仕方が無くなっていた。

 いったいどうしたらいいの?









 そんな時だった。
タイミングが良いのか悪いのか、事件が起こった。



 筒井君の浮気はすべて私に報告済み
というのが約束だったはずなのに、
<隠さないこと>だけが全てを許す条件だったのに、
筒井君が私に隠しているSEXフレンドがいることが発覚した。
それも一年半も前からの。

 私のあの初めての過ちよりももっと前からずっと、
私に隠し続けていた女がいたということになるのだ。




 感情はなく、単にお互いスポーツ感覚の発散相手だというけど、
あの私の懺悔の半年も前から?

 私は筒井君の浮気を全て把握しているハズだったのに、
この女の事だけは全く知らないままだった…
 







 信じ切っていた私たちの長く深い愛って、
一体何だったのだろう?

 崩れ落ちる音が聞こえるようだった。












 運命の別れはあっけない引き金だった。
筒井君が隠し続けていた女の一件で、事態は急変した。



更新日:2009-03-07 23:47:56

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バツ2女の恋愛日記カミングアウト25年 〜愛ってなに?〜