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サハラ・テヘラン

 南太平洋を臨む小さな国ノルデオで誕生し、やがて世界規模のロックバンドに成長したバンド、サハラ・テヘラン。彼らの音楽は差別と貧困の中から生まれた真実のソウルミュージックと呼ばれている。
 ボーカルであるトルーマン・フローレスが謎の急死を遂げることになるわずか三日前に発表されたアルバム「ワイルド・ウエスト」。このアルバム(サハラ・テヘラン、及び彼らの熱狂的な崇拝者はアルバムのことをストーリーと呼ぶが、ここではアルバムと表記する)は彼らの実質的な最後の作品である。
 スラム街の路上から世界的なビッグバンドへ。彼らのサウンドはデビューアルバム「ラコパウエラ・エンデ・ビエンテ」(この地の遥か西)に始まりセカンドアルバム「セント・ア・ランス」(花束の舞う丘)、サードアルバム「ビアンカ・ローデ・レントクローサー」(国境の町の少女)、そして四作目の「アムト・トワレ」(ともに歩いていこう)で世界中に名を知られることになった。その後、五作のアルバムを発表し世界ツアーも各地で成功を収めていた。母国ノルデオからは国際的な活動を表彰され栄誉賞を贈られている。
 最近では映画のテーマソングになったこともあってサハラ・テヘランが再び脚光を浴び、楽曲を多くのアーティストがカバーをし、中には現代風にアレンジされたものをよく耳にするようになった。
 サハラ・テヘランの楽曲は、そのほとんどをベーシストのルーン・ブキャナンが手がけているのだがアルバム「ワイルド・ウエスト」に収録されている「ザ・ワールド」はトルーマン・フローレスが作詞と作曲を担当している。
 彼らの楽曲はサハラ・テヘラン独特のサウンドとも呼べる、それぞれのプレイヤーがそれぞれの音をただ主張したいだけなのではないかと思わせておきながら、序盤の悪い印象を、中盤から終盤にかけて一気に音を収束させ、そこにトルーマンのハスキーで力強い声が加わり、それはまるで始めからクラシックを聴いていたのではないかと錯覚してしまうほどの感動すら覚える緻密な技術を駆使する。

更新日:2023-06-20 08:45:46

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