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空白の在処

昼食の間にバーディは目覚め、グレンは改めて残留調査の方針を告げる…説明したのはジャックだが。安堵した顔を見せつつ、バーディは尋ねた。

「その、偽マテオは、何処を拠点にしてたんだ?やっぱりタンクかな」
「だろうね。通信設備の整備員も一緒に来てたらしいから」
「半年も?」
「確かに…整備係が滞在するにはちょっと長過ぎるか」

暫し考え込んだ後、ジャックは言った。

「ねぇリーダー、散歩に行くなら、宿屋らしい建物があるか確かめて来てよ。ついででいいからさ」
「了解。でも、わかるもんかね?」
「多分看板がある。宿泊系は、部外者向けの店構えだからさ」
「ほほぅ」
「リーダー、散歩行くの!?俺、街の電柵確認したいんだけど、付き合ってもらえる?」
「おう、いいぞ。その代わり、宿屋探しも付き合えよ」
「モチロン」

ふと、それまで黙りこくっていたライズが顔を上げる。

「いかん…限界だ。ちょっと寝て来る」
「そうしてくれ」
「じゃ、俺も。戻ったら起こして?」
「OK。しっかり休んでくれよ〜」

ライズとジャックは仮眠室へ向かう。グレンとバーディは顔を見合わせた。

「行くか?」
「そうだね。今ならまだ結構時間取れそうだし」
「だな」

早々に、2人も腰を上げた。

更新日:2023-06-10 18:48:41

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