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慟哭

パート33レス15


 前スレではすまないことをした。レギュ違反のデッドボールSSでみんなを悲しませてしまった。


 だからこれは「閲覧注意」としておこう。




 拓海…私…謝らなきゃいけないことがあるの……

 あまねちゃんに…酷いこと言っちゃった……

 ゆみと拓海のこと……お願いしちゃった……
 あまねちゃん優しくて強いから、きっと約束守っちゃう……

 あまねちゃんの人生を…あまねちゃんと拓海の人生を…私がしばっちゃった……ごめんね




 一人娘ゆみから、あまねに母親になって欲しいとお願いして断られた話を聞いた、その日の夜。
 ゆみを寝かしつけた拓海は仏壇の前に座っていた。


「なぁ、ゆい…お前の言ってたことは本当だったよ…菓彩は人生をゆみのために捧げてくれた…捧げちまった…そして俺は、そんなあいつを突き放せなかったんだ」


 亡き妻の面影が日増しに強まる娘を直視できなくて、逃げるように仕事に打ち込んだ日々。
 その間、ゆみを守り育ててくれたのはあまねだった。


「俺もずっとあいつに甘えてきた…あいつの人生を縛っちまった……だけど」


 娘と、あまねと、三人で過ごす日々に安らぎと幸せも感じていた。
 そして、そんな日々が続くにつれ、ゆいとの思い出が薄れていくことにも気づいていた。


「なぁゆい…俺…嫌だよ……お前のこと忘れたくないよ……幸せがお前の思い出と引き換えなんて……そんなの嫌だよ…」


 俯き、項垂れ、拓海は慟哭した。


「すまない…ゆい…こんなこと言ったら、父親失格だってわかってる…でもな! 俺はお前を忘れたくない! 幸せになんかなりたくない! 未来になんか進みたくない! ずっと、ずっとこのままお前と…このまま…」


 慟哭する拓海の前、遺影に写るゆいの笑顔が、月明かりに照らされ哀しげに揺れていた。

更新日:2023-04-29 00:40:01

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