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11.魔女の塔

魔女の塔の上空

「す、すごいな…噂には聞くけど一面の花か…」

「このお花はね~魔女が200年間毎日植え続けたんだって~」

「魔女の塔もすばらしいね」

「これを破壊するなんて頭どうかしてるぜ」

「わたし泣いちゃうかも~」

「塔の天辺に降りるぜ?」

「そうだね…降りるのに丁度良さそうだ」


そのまま塔の最上部に気球を下ろす

フワフワ ドッスン


「しばらくはこの塔を拠点に情報を集めようか」

「森の町が歩いて30分くらいのところにあるよ~ハチミツ酒がすごく美味しいの~」

「俺が買出しと情報収集に行って来る」

「えええええ私も行きたい~~」

「顔はフードで隠してもらうぞ?」

「ハハ良いじゃないか…男女2人の方が怪しまれにくい」

「わ~いウフフ」

「盗賊!頼みがある…僕は歴史の事が知りたい…古文書の様な物があったら買ってきて」

「歴史かヌハハ…本気で200年前の伝説を調べるつもりだな?」

「僕は本気だよ…僕の勘は結構当たるんだ」



花畑

「♪ラ--ララ--♪ラー」

「僧侶が歌ってるその歌はなに?」

「魔女に教えて貰ったの~『愛の歌』だって~♪ラ--ララ--♪ラー」

「そういうメロディだったのか…この古文書にその歌詞と同じフレーズが載ってる…見て」

「アレ~本当だ~…魔女ってすごいね~ウフフ」

「その歌のルーツはエルフにあるらしい…エルフと人間の愛を歌った叙事詩だってさ」

「へ~…そういえばエルフの長老も聞かせてくれって言ってたなぁ…」

「ヌハハ…ロマンチックな話だぜ…俺には縁が無え」

「いや…もしもの話だ…魔女は始まりの国の牢屋でその歌を歌ったとしよう」

「ほえ?」

「キマイラがその歌を聞いて目覚めた…話が出来すぎかな?」

「鋭い…その可能性は否定できんな…キマイラはエルフの血から造られている」

「まぁ考えすぎかな…それにしても歴史は色々と面白い」

「商人辞めて学者になるぅ~?ウフフ」



数日後

「魔女来ないなぁ…シュン」

「そう段取り良くはいかない様だ…まぁ此処ん所忙しかったから良い休憩だ」

「ううむ…魔女は来ないかもしれないね」

「どういう事~?」


僧侶…君が経験して来た事さ

魔女はこの塔が直に壊される事を知っている

数年後君達がここに指輪を持ってくる事も知っている

魔女はそれを止め様が無い事も分かってる筈さ

僕なら思い出の地が壊される所は見たくない


「やっぱり全部私が知ってる過去の事の通りに進んでる?」

「そうだよ…たぶん始まりの国で気球が禁止されるのも僕達が関係している」

「え!?」

「幽霊船の時、墓地から逃げる時、それから魔女の塔が壊される時も…僕達は気球で逃げる」

「そんな…」

「もっとある…君の時代では始まりの国とエルフの森で争いが活発になってると言ったね?」

「うん」

「僕がエルフの密売をやらなくなったから始まりの国は自分で狩りに行くしか無いんだ」

「まだある…魔王軍が活発になってるとも言ったね?」

「うん」

「王国から見たら不振な行動をする僕達は魔王軍にしか見えないんだよ…全部が予定通りさ」

「今居る世界はまだ過去?」

「そう…信じられないけど今はもう過去なんだ…物事が動くのはまだ先さ」

「おい!!変える事は出来ないのか?」

「きっと無理だ…僕達がキマイラを防いだとしても他の誰かが塔を壊す」

「歴史の強制力って言うのかな?…そう言うのには多分…抗えない」

「じゃぁわたし達がこの塔に居る理由って何?」

「すまない…分からないんだ…ただ導かれている様に思う」

「ううむ…何か方法は有りそうなんだがな…」

「僕達が歩んでる道はいつも選択肢が少ない…ひょっとしたら一本道かもしれない」

「どうにかして未来を変えられればな…」

「うん…僕も考えてるよ…なかなか思いつかないなぁ…」


またまた数日後…

「おう!買出しから戻ったぞ」

「何か変わった情報は無かったかい?」

「選ばれた勇者が行方不明になったという噂が出始めた」

「……」うつ向く僧侶

「僧侶心配しなくて良い…騎士は必ず生きている」

「あとな?始まりの国の衛兵達が森の町で集まり出した」

「そうか…やっぱり予定通りだね…歴史の強制力だ」

「どうする?」

「すこし考えたんだけど…衛兵隊長と取引がしたい」

「隊長と!?」

「そうさ…こっちにはコレがある」

「海賊のバッチか!!」

「洗いざらい隊長に打ち明けるとどうなると思う?」

「衛兵隊長自ら正体不明の我らの前に出てくるとは思えんがな」…囚人が会話に割り込む

「僕は未来を変えてみたいんだ…この世界は僕達の物だ」

更新日:2023-03-23 08:06:17

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