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甲板
「どわぁぁぁ…こりゃギリギリ交差だ!!幽霊船をよく見ておけ!!」
ボエーーーーー
「ん、なんじゃ?…耳鳴りが」
「向こうの甲板には誰も乗って居ない!!もうすぐ交差する!!」
ボエーーーーー
「何だ?この音?」
「みんな伏せて!!!!!」
ボエーーーーー
「な、なんだぁ!!」
「砲台がこっち向いてる!!」
ボエーーーーー
「伏せろおおおぉぉ!!」
「交差!!!!!!」
ドカン!! ドカン!! ドカン!! ドカン!!
ドカン!! ドカン!! ドカン!! ドカン!!
船が交差する瞬間幽霊船の艦砲から一斉に大砲が発射された
全ての砲弾が命中し幽霊船はそのまま遠ざかって行った
「うほーーーーー俺ぁ生きてる…生きてんぞ!!」
「み、みんな生きてるかあぁぁ!?」
「気球に集~~~合!!!集まれぇぇぇ!!」
「商人!肩につかまってぇ~」
「ハァハァ…ゼェゼェ」
「エルフの娘や…手を離すでないぞ?」
「クックックうわっはっは」
「おい囚人…大丈夫かい?」
「あいつらどこまでもおちょくってくれる…」
「船の損傷は分かるかぁ!!?」
「甲板と胴体に穴が多数!!深刻な水漏れは無さそうだよ!」
「寝室と積荷室が逝った程度だな?」
「よ、よし…まだ行けるね」
「今日から仲良く気球で寝泊りだ…あと2日位で着く」
「商人は気球の中で横になって~~」
気球の籠
「幽霊船とすれ違ってしまったが…どうする?」
「船の火力が違い過ぎて幽霊船を追ったとして何も出来ないと思うな」
「このまま進むしかあるまい…あの船に何を乗せてたのかは気になる所だが…」
「魔王島まであとどれくらいかな?」
「2日は掛からん筈だ…霧が晴れればすぐそこに有る」
「くそう!!追いつけなかったか…ハァハァ」
「まだ諦めるには早えぇ」
「そうだね…早く行って探さないと」
…と言ってはみたけれど
現実的に考えて勇者一行は既に魔王島で下船した筈…
幽霊船が引き返すと言う事は…もう暗殺されている可能性が高い
だとすると幽霊船に乗って居るのはその中の裏切った誰か…
でも僕達はまだ魔王島に何が有るのか見ていない
やっぱり進むしかない…
破壊された甲板
「魔女様…居室に残って居た荷物をまとめて気球の方に入れて置きました…」
「ふむ…エルフの娘か…大したものは無かったで放っておいて良かったんじゃがな」
「魔女様はここで何を?」
「ちと考え事じゃ…幽霊船とすれ違ごうた時に次元の調和音が鳴って居ったのが気になってのぅ」
「私も気になりました…あの感覚は一体…」
「あの時点で次元の分岐が有ったんじゃと思う…」
「分岐?」
「昔の合戦場なぞでたまに有るのじゃ…誰ぞが次元を超えて過去を塗り替える…その分岐点で次元の共鳴が起きる」
「ではあの瞬間を誰かが変えた可能性が有る…そう言いたいのですか?」
「瞬間なのか…その場所なのか分からぬ…恐らく魔王島とはそう言う場所なのじゃろう」
「私…騎士の考えが良く分かるんです」
「次元の調和音と何か関係するのかえ?」
「いえ…分かると言うか…始めから知って居る様な感覚」
「ほう?如何に?」
「何度もこの場面を経験している様な感覚…」
「それじゃ…その次元が何処かで交わっとる」
「理解しました…」
「やはり主は賢いのぅ…わらわの眼を見て見よ」
「はい…」
「わらわを感じてみぃ…」
「え?」
「何か分からぬか?主はエルフで感覚が鋭いじゃろう?」
「同じ…何かを感じます」
「ふむ…やはり同じ宿命を持って居るやも知れんのぅ…」
「宿命?」
「それを考えて居ったのじゃ…答えが見えぬ」
「魔女様は愛しい人と会う為に生きて来たのでは無いですか?」
「そうじゃ…じゃがのぅ…何の為に…という部分がどうにも腑に落ちんのじゃ」
「ただ会いたい…それだけではダメなのですか?」
「では主に問う…主は何の為に生きて居る?」
「え?…」
「誰かに出会う為では無いか?」
「誰か…」
「その次に…何の為に…この部分を良く考えてみる事じゃ」
「分かりました…」
「わらわはもうちっと考えて居るで主は気球に戻っても良いぞ」
「はい…足元をお気を付けて…」
船の墓場
「霧が晴れた…」
「な、なんじゃこりゃぁ…船の墓場…か?」
「過去の勇者達の船だ…沈没船には近づくな」
「ゴクリ」(不安になってきた)
「見えてきたぞ…魔王島だ…中央にあるのが魔王城だ」
「あれが…」
「ねぇ…何か変~」僧侶がなにか異変に気付いた
「ん?どうした?」
「船が右に傾いてる気がするの~」
「騎士!!船底見て来い!!」
「分かった」
「どわぁぁぁ…こりゃギリギリ交差だ!!幽霊船をよく見ておけ!!」
ボエーーーーー
「ん、なんじゃ?…耳鳴りが」
「向こうの甲板には誰も乗って居ない!!もうすぐ交差する!!」
ボエーーーーー
「何だ?この音?」
「みんな伏せて!!!!!」
ボエーーーーー
「な、なんだぁ!!」
「砲台がこっち向いてる!!」
ボエーーーーー
「伏せろおおおぉぉ!!」
「交差!!!!!!」
ドカン!! ドカン!! ドカン!! ドカン!!
ドカン!! ドカン!! ドカン!! ドカン!!
船が交差する瞬間幽霊船の艦砲から一斉に大砲が発射された
全ての砲弾が命中し幽霊船はそのまま遠ざかって行った
「うほーーーーー俺ぁ生きてる…生きてんぞ!!」
「み、みんな生きてるかあぁぁ!?」
「気球に集~~~合!!!集まれぇぇぇ!!」
「商人!肩につかまってぇ~」
「ハァハァ…ゼェゼェ」
「エルフの娘や…手を離すでないぞ?」
「クックックうわっはっは」
「おい囚人…大丈夫かい?」
「あいつらどこまでもおちょくってくれる…」
「船の損傷は分かるかぁ!!?」
「甲板と胴体に穴が多数!!深刻な水漏れは無さそうだよ!」
「寝室と積荷室が逝った程度だな?」
「よ、よし…まだ行けるね」
「今日から仲良く気球で寝泊りだ…あと2日位で着く」
「商人は気球の中で横になって~~」
気球の籠
「幽霊船とすれ違ってしまったが…どうする?」
「船の火力が違い過ぎて幽霊船を追ったとして何も出来ないと思うな」
「このまま進むしかあるまい…あの船に何を乗せてたのかは気になる所だが…」
「魔王島まであとどれくらいかな?」
「2日は掛からん筈だ…霧が晴れればすぐそこに有る」
「くそう!!追いつけなかったか…ハァハァ」
「まだ諦めるには早えぇ」
「そうだね…早く行って探さないと」
…と言ってはみたけれど
現実的に考えて勇者一行は既に魔王島で下船した筈…
幽霊船が引き返すと言う事は…もう暗殺されている可能性が高い
だとすると幽霊船に乗って居るのはその中の裏切った誰か…
でも僕達はまだ魔王島に何が有るのか見ていない
やっぱり進むしかない…
破壊された甲板
「魔女様…居室に残って居た荷物をまとめて気球の方に入れて置きました…」
「ふむ…エルフの娘か…大したものは無かったで放っておいて良かったんじゃがな」
「魔女様はここで何を?」
「ちと考え事じゃ…幽霊船とすれ違ごうた時に次元の調和音が鳴って居ったのが気になってのぅ」
「私も気になりました…あの感覚は一体…」
「あの時点で次元の分岐が有ったんじゃと思う…」
「分岐?」
「昔の合戦場なぞでたまに有るのじゃ…誰ぞが次元を超えて過去を塗り替える…その分岐点で次元の共鳴が起きる」
「ではあの瞬間を誰かが変えた可能性が有る…そう言いたいのですか?」
「瞬間なのか…その場所なのか分からぬ…恐らく魔王島とはそう言う場所なのじゃろう」
「私…騎士の考えが良く分かるんです」
「次元の調和音と何か関係するのかえ?」
「いえ…分かると言うか…始めから知って居る様な感覚」
「ほう?如何に?」
「何度もこの場面を経験している様な感覚…」
「それじゃ…その次元が何処かで交わっとる」
「理解しました…」
「やはり主は賢いのぅ…わらわの眼を見て見よ」
「はい…」
「わらわを感じてみぃ…」
「え?」
「何か分からぬか?主はエルフで感覚が鋭いじゃろう?」
「同じ…何かを感じます」
「ふむ…やはり同じ宿命を持って居るやも知れんのぅ…」
「宿命?」
「それを考えて居ったのじゃ…答えが見えぬ」
「魔女様は愛しい人と会う為に生きて来たのでは無いですか?」
「そうじゃ…じゃがのぅ…何の為に…という部分がどうにも腑に落ちんのじゃ」
「ただ会いたい…それだけではダメなのですか?」
「では主に問う…主は何の為に生きて居る?」
「え?…」
「誰かに出会う為では無いか?」
「誰か…」
「その次に…何の為に…この部分を良く考えてみる事じゃ」
「分かりました…」
「わらわはもうちっと考えて居るで主は気球に戻っても良いぞ」
「はい…足元をお気を付けて…」
船の墓場
「霧が晴れた…」
「な、なんじゃこりゃぁ…船の墓場…か?」
「過去の勇者達の船だ…沈没船には近づくな」
「ゴクリ」(不安になってきた)
「見えてきたぞ…魔王島だ…中央にあるのが魔王城だ」
「あれが…」
「ねぇ…何か変~」僧侶がなにか異変に気付いた
「ん?どうした?」
「船が右に傾いてる気がするの~」
「騎士!!船底見て来い!!」
「分かった」
更新日:2023-03-21 06:21:24