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ぐががががが…すぴーーー

僧侶は気持ち良さそうに寝て居る

僕は寝付けないから少し夜の音を聞こうと思って外に出た


(夜は音が良く聞こえる)

(地面の下から苦しみのうなり声)

(6本の突き出た塔からは絶望に震える息遣い)

(そして僕と同じ様にどこかで耳を済ませてる君も感じる)

(エルフの娘…君が何を想うか僕も分かるよ)

(どうにかして救ってあげたい…)

(ただこの世界は…色々な事が複雑に絡み合って)

(そんな簡単に救うなんてことが出来ない)


リーン…


(銀を弾く音…)

(この音は…不思議と心が収まる)

(浄化の音…)

(これが君の答えなんだね?)

(思えばゾンビだって銀の力で浄化される)

(銀には浄化の力がある…)


リーン…



翌日_商船

手早く荷を積みこんで乗船した

「よっし!!始まりの国へ出航だ」

「海賊の海図では幽霊船の場所は始まりの国の沖にある」

「まず始まりの国の港町だな?」

「勇者一行に追いつきそうかい?」

「さぁね?でも普通の船の1.5倍は早く行ける筈」

「そんなに早いんだ」

「商船は新鮮な物を出きるだけ早く運ぶのも売りの一つなんだ」

「この船はスクーナーと言ってな?逆風でも進路変えないでスイスイ行ける訳よ」

「へぇ?」

「ただ帆操出来るのが俺とお前しか居ないからちっと忙しいぞ?」

「体力仕事はまぁ…僕だろうね」

「アテにするわ…とりあえず碇上げるの手伝え!!」

「わかった!!」

「ほんじゃ出港!!いざ港町へ!!」

更新日:2023-03-20 08:03:51

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