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4.砂漠の町

砂漠の町宿屋

すでに日は落ち怪しげな月が辺りを照らして居た

宿屋の前の通りは治安が良いとはとても言えない

物乞い…怪しい男達がしきりに行き交うその場所で

僧侶は一人…騎士が来るのを待って居た


「お客様…お連れ様をお待ちですか?」

「うん…」

「今日はもう遅いのでお部屋の方でお待ち下さい」

「でも心配だから…」

「お連れ様がお見えになりましたらお部屋の方までご案内しますので」

「落ち着かないの…」

「僧侶や…ちと休めい…」

「こんなに心がソワソワするの…始めて…なんか心の行き場が無いの」

「うむ…それは分かるが主が此処に居ては危険が有るのじゃ…部屋に入って待てば良い」

「分かった…」トボトボと部屋に入る僧侶



翌日

騎士は足を引きずりながら宿屋へ訪れた

「騎士?騎士ぃ?」…僧侶は安堵の表情で騎士に駆け寄った

「あ、あぁ僧侶か…ごめんよ心配掛けて」

「ううん…大丈夫?ひどい傷…」

「大丈夫さ…それよりエルフの娘を助けられなかった」

「店主さ~ん!お願い手伝って~!」

「おぉぅ…こりゃ大変だ…早く部屋の方へ」


騎士は宿屋の店主に背負われて部屋の方に連れられた


「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」

「ありがとう僧侶…もう大丈夫だよ」

「無事でよかったのぅ…」

「うぇ…うぇっ…ふぇ~ん」

「あぁ心配かけて済まない」

「それでエルフの娘はエルフ狩りに会うてしまったのか?」

「森の周辺を探したけど…逃してしまった」

「この周辺ではこの砂漠の町にしか行く所はあるまい?」

「この町で情報を集めないと…てててて」

「まだ動かないで!回復魔法!」

「このままだとエルフの好意を仇で返す事になってしまう…」

「そうじゃな…無事だと良いが…」

「この町はどうやら賊に溢れててあまり安全じゃ無さそうだ…」

「うむ…昨日も金貨の入った袋を盗まれそうになったわ」

「大丈夫だったのかい?」

「絡まれた直後にその盗賊さん目の前で消えたの~」

「魔女…どおりで肌の艶が」

「少しだけじゃよ…」

「そうかわかった…こうしよう!」

「ん??」

「僕は1人で酒場に行って情報を集めてくる」

「僧侶と魔女は2人で一緒に町で情報を集めて来て」

「え~?別行動?」

「酒場は女連れで行くと面倒が起きやすいんだ…ガマンして」

「ぶぅ…わかった」

「それから2人ともフードで顔を隠して置いた方が良い」

「そうじゃのぅ…美女2人を放ってはおかんじゃろうのぅ…」

「美女?ウフフ~良い言葉~~」

「よし!僕はもう大丈夫だから早速行動しよう!」

「ねぇねぇわたしって美女かな~?」

「何と言って欲しいのじゃろうか…」

「夜、宿屋で会おう!」

「ねぇねぇ…」

更新日:2023-03-18 12:35:56

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