• 24 / 229 ページ


川の近くは意外とシカなどの動物が水を飲みに来る

焚火の明かりがあると近付いては来ないが…そういう動物が落ち着いて居るのは安全な証拠だ

「この薪は全部使って良いから気付いた時に入れてね」

「寝てたら気付けないよ?」

「まぁ気付いた時で良いさ」

「ねぇ勇者ってさ~…あ!!思い出した~指令に続きがあったんだ~」

「ん?」

「指令はねぇ~全部で7つあるんだ~ウフフ」

「あぁ聞かせてくれるかな?」

「だめぇ~~それは秘密なの~私が順番に指示する~」

「分かったよ…」

「指令5…身分を詐称する事…ってどういう事かなぁ…」

「あぁ隊長が勇者である事を隠せって言ってたな」

「なんでかなぁ?勇者って名乗るとやっぱり面倒が起きる?」

「ん~どうかな…でもわざわざ名乗る必要もないかな」

「じゃぁ名乗る必要が有る時は何って名乗るの~?」

「それは適当に…」

「よし!!私が決めてあげる~そうだなぁ…」


ヒヒ~ン ブルル 馬が話しに加わりたさそうにしている


「そうだ!馬に乗ってるから騎士にしよう!かっこい~~どう?気に入った?」

「あ、あぁ…まぁそれで良いよ」

「私は姫で良いかな~?ねぇ」

「ぃあ…君はは僧侶で良いよ」

「なんかズル~い面白くない~~…あれ?ポケットに何か入ってる~なんだろ~」

「んん?」

「あ!!忘れてた~コレ騎士の持ち物…指輪と豆かな?ハイ…」

「これは…囚人の指輪と…なんだこれ?」匂いを嗅いでみた

「うわ~犬みた~い」

「豆では無さそうだ…でもありがとう僕が持っておくよ」

「その指輪ってどうしたの?大事そうに握り締めてたよ?」

「あの囚人が僕によこした物だよ…僕にもどうして渡されたかよく分からない」

「へ~そうなんだ~でもさぁ~なんかその話退屈~他の話にしよ~よぅ」

「…」(話が噛み合わないけれど…この子のペースはキライじゃないかな)

「例えばさ~明日何食べるとかさ~夢のある話をね…」

(なんだか僕も楽しい…ずっと一人だったから)



騎士と僧侶は林道をひたすら北に

馬に乗ったり…歩いたり…狩りをしたり

そんな旅を続けながら5日程経過した


馬に揺られながら僧侶はダダをこねていた

「もう飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた飽きたあああああ」

「……」

「あとどれくらい?」

「さっきから3分くらいしか経ってないよ」

「また野宿かなぁ…暗くなって来たよぅ」

「もうすぐ付くよ」

「もうチョッとさー元気が出る気の利いた言葉が欲しいな~」

「よし…今日はごちそうをお腹いっぱい食べよう!」

「たべるううううううううううううう」

「あったかいベットで一緒に寝よう」

「ねるうううううううううううううう…う???一緒に?」

「ははは掛かったな…だんだん君の扱い方が分かってきたぞ」

「ギッタギタのボッコボコにするよ?…ウフフ」

「あのね…あ!!林の隙間に光が見えた」

「え!!わーい!どこどこ~?見えな~い」

「ちょちょ…縄で縛ってるんだからあんまり騒がないで…」

「きたああああああああ!!みえたあああああああ!!」

更新日:2023-03-17 14:34:09

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook