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2.森の町

挿絵 180*240

林道

始まりの国から北へ伸びる道を避けて勇者と僧侶の2人は林道を進んで居た

その方が人目に付きにくいからだ

食料を殆ど持って居ない2人にはその方が飢えずに済む

今はまだ日が有って明るいが…少しづつ暗くなり始めて居た


(馬が疲れてきた様だ…少し速度落とすか)

(日が暮れる前に寝床を探さないとなぁ…野宿になるかな…どうしよう…)

「ぐう…すぴーーーー」

(余程疲れていたのかな…)

ぐぅぅぅ…空腹で腹の虫が鳴いた

(朝から何も食べてないな)…カバンの中を手で探った

(乾し肉とパンだけか…2人だと今日の分しか無い)

「ううぅぅん…たいちょー…むにゃ」

(紐で縛られてると下手に動けない…う~ん…)


サラサラと流れる川の音が聞こえて来る


(川が近い…よし魚が取れる…今晩の寝床はそこにしよう)



川辺


やわらかい土の上に僧侶を横にし…勇者は魚を獲って居た


「ふぁあ~~あ~んんんんあれ~?ここどこだろ~」

「お!起きたかい…よっし!!捕れた」

「なんかチョッと暗いかも~ここはどこ~?」

「あぁもうすぐ日が落ちる…今日はここで野宿だよ」

「ふ~ん今何してる感じ~?」

「魚捕ってる」

「なんか楽しそ~う私もやろっかな~ウフフ」

「日が暮れる前に火を起こそう…手伝って」

「何すればいいの?」

「火魔法とか使えないかな?」

「オッケーやってみる」

「そこの枯葉に火を付けてみて」

「できるかな~?火魔法!」…とても小さな炎が一瞬光った

「お!十分!フーーーフーーーー」…少しづつ炎が大きくなって行く

「私天才かも~ウフフ」

「僕は魔法が使えないから火をおこすのにいつも苦労するんだ」


「火魔法はじめて使った~ウフフ」

「コレでよしっと…ちょっと木を集めてくるから暖まってて」

「オッケー」


勇者は付近に落ちている倒木を帯剣で細かくして薪を作って居た


「こんなもんかな…これだけ有れば一晩持つ筈…」

「あれ?僧侶何処行ったかな…お~い」


パチャパチャと水しぶきの音


「お~い僧侶~…あ!」

「あ!だめええええ!来ないで~~~見ないで~~」

「ごごごめん…あっちで待ってる」

(そうか・・暗くなる前に水浴びしておかないと入れなくなるもんな)

(大人しく魚でも焼いておこう…)



数分後…

「戻ったよ~あ~サッパリした~」

「おかえり」

「さっきは見たでしょ~~へんた~い」

「いやそんなつもりは無かったんだ…此処に居なかったから心配でさ…」

「あれ~?コレって寝床になるの~?それとも馬の餌?」

「やわらかいあ草でベットの変わりだよ…明日の朝には馬の餌にもなる」

「すご~いウフフ~なんか頭良いね~」

「そろそろ焼けたかな?」焼き魚の香ばしい匂いがしてきた

「良い匂い~お腹空いてきたかも~ウフフ」

「焼き魚と乾し肉とパンだ…木の実もある」

「ごちそうだぁ~いただきま~す」パクパク モグモグ

「今日は沢山食べて明日に備えよう」

「なんふぁ…すふぉく楽ふぃ~ウフフ」

「じゃぁ僕も頂きます」

更新日:2023-03-17 23:44:59

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