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1.始まりの国
ここはかつて栄えた魔法の国の一角
今ではその面影も無く冒険者が初めに訪れる国として
腕試しの猛者共が集い今武闘会が始まろうとしていた
始まりの国
その時…一人の勇者が訪れた
勇者は城門の前に立ち塞がる門番へ軽く一礼をした…
「止まれーい!!これより先は身分の無い物を通す事は出来ん!」
「何か身分を示す物はあるか?」
門番は手荷物をのぞき込み不審げにしていた
「怪しい物では御座いません。これを…」
懐から紋章の描かれた証を取り出し手渡す
「んん?これは勇者の証…しばし待たれよ…衛兵!!見張って置け!!」
小柄な衛兵と大柄な衛兵の2人が駆け寄って来る
「こんな貧乏臭い格好してるのが勇者か?」
「人は見かけに寄らないっていうけどね~ウフフ」
小柄な衛兵は特徴のあるコロコロした笑い声をした少女だった…続けて言う
「あまり失礼の無い様にした方が良いかも~」
「ううむ…軽装に帯剣だけで勇者には見えんのだが…」
「おい!よく顔を見せろ!フードを下ろせ!」
「あ…失礼しました」
深く被っていたフードを降ろしその顔を晒す
「なぬ?…女か?いや…背格好は男の様だな…肩幅もそこそこに…」
「あれ~?割と良いかも~ウフフ」
「これで勇者なら女子は放って置かないね…なんてね~」
「ぐぬぬ…こんなヤサ男に何が出来ると言うか!!」
そんなやりとりをして数分後…門番は足早に戻って来た
「衛兵!客人を通せ!失礼は無かっただろうな?」
「ハッ!!」
大柄な衛兵は急に態度を改め姿勢を正した
門番は先ほどとは違った態度で言う
「ささっ勇者殿付いて参られよ…衛兵から失礼はありませんでしたでしょうか?」
「いえ問題ありません…衛兵の仕事をしっかりこなして居ましたよ」
「いやはや失礼をお詫びします」
勇者は門番の後を付き甲冑を纏った大柄な者の前へと連れられた
「隊長!お連れ致しました!」
「ご苦労…門番は戻って元の任へ付け」
「あい分かりました…失礼します」
足早に去る門番の態度から規律の厳しさが伺え…勇者は少し笑みをこぼした
「これはこれは…勇者殿」
「私は始まりの国衛兵隊長である…よくぞこの国へ参った」
「国王様は謁見の間に居られる…これより私が城内を案内する」
「…が…その前に…持ち物を預からせて頂く」
帯剣と手荷物を覗き込むその者からフワリと女性の香りがした
「精鋭兵!勇者殿の持ち物を保管しておけ!」
「では勇者殿…参りましょう…付いて参られよ」
周囲のザワツキが聞こえる
おい見ろ!あれが選ばれた勇者らしいぞ
マジか…ちょっと俺にも見せろ
「静まれぇ!!道を開けよ!!」
隊長と呼ばれるその者の一括で規律が正された…
今ではその面影も無く冒険者が初めに訪れる国として
腕試しの猛者共が集い今武闘会が始まろうとしていた
始まりの国
その時…一人の勇者が訪れた
勇者は城門の前に立ち塞がる門番へ軽く一礼をした…
「止まれーい!!これより先は身分の無い物を通す事は出来ん!」
「何か身分を示す物はあるか?」
門番は手荷物をのぞき込み不審げにしていた
「怪しい物では御座いません。これを…」
懐から紋章の描かれた証を取り出し手渡す
「んん?これは勇者の証…しばし待たれよ…衛兵!!見張って置け!!」
小柄な衛兵と大柄な衛兵の2人が駆け寄って来る
「こんな貧乏臭い格好してるのが勇者か?」
「人は見かけに寄らないっていうけどね~ウフフ」
小柄な衛兵は特徴のあるコロコロした笑い声をした少女だった…続けて言う
「あまり失礼の無い様にした方が良いかも~」
「ううむ…軽装に帯剣だけで勇者には見えんのだが…」
「おい!よく顔を見せろ!フードを下ろせ!」
「あ…失礼しました」
深く被っていたフードを降ろしその顔を晒す
「なぬ?…女か?いや…背格好は男の様だな…肩幅もそこそこに…」
「あれ~?割と良いかも~ウフフ」
「これで勇者なら女子は放って置かないね…なんてね~」
「ぐぬぬ…こんなヤサ男に何が出来ると言うか!!」
そんなやりとりをして数分後…門番は足早に戻って来た
「衛兵!客人を通せ!失礼は無かっただろうな?」
「ハッ!!」
大柄な衛兵は急に態度を改め姿勢を正した
門番は先ほどとは違った態度で言う
「ささっ勇者殿付いて参られよ…衛兵から失礼はありませんでしたでしょうか?」
「いえ問題ありません…衛兵の仕事をしっかりこなして居ましたよ」
「いやはや失礼をお詫びします」
勇者は門番の後を付き甲冑を纏った大柄な者の前へと連れられた
「隊長!お連れ致しました!」
「ご苦労…門番は戻って元の任へ付け」
「あい分かりました…失礼します」
足早に去る門番の態度から規律の厳しさが伺え…勇者は少し笑みをこぼした
「これはこれは…勇者殿」
「私は始まりの国衛兵隊長である…よくぞこの国へ参った」
「国王様は謁見の間に居られる…これより私が城内を案内する」
「…が…その前に…持ち物を預からせて頂く」
帯剣と手荷物を覗き込むその者からフワリと女性の香りがした
「精鋭兵!勇者殿の持ち物を保管しておけ!」
「では勇者殿…参りましょう…付いて参られよ」
周囲のザワツキが聞こえる
おい見ろ!あれが選ばれた勇者らしいぞ
マジか…ちょっと俺にも見せろ
「静まれぇ!!道を開けよ!!」
隊長と呼ばれるその者の一括で規律が正された…
更新日:2023-03-17 14:58:23