本格的にお勉強が始まった。
このちゃんは一緒に来てくれる時もあれば、向こうでやる事があって来れない時もある。
お供は表に出していない人も多いけど、このちゃんはとっても小さくなって私の近くにいてくれたりするので、すごく心強かった。
アスタロトは大体本の中に居て、いつも静かだ。
アスタロトはアイリスみたいに、色んな事をよく知ってるから、お勉強の時間はつまらないのかも知れない。
このあいだ、お勉強が終わった後に、良く分からなかった事をアスタロトに聞いてみたら、とっても分かりやすい言い方で教えてくれた。
「何でわかんないのさ」って言われてしまったので、何で分からないのか自分も分からないって答えたら、アスタロトに笑われてしまった。
アスタロトが言うには、この事が分かってないと出来ない事を、私は出来ているらしい。
何でそうなってるのか分からなくて困ってたら「あんたは、そのままで良いんじゃないの？」ってアスタロトが言ってくれた。
どうしても分からない事があったら、リュークも教えに来てくれるらしいし、今のところは一生懸命に頑張るしか無いんだなって思う。
仲良くなったピンク色の髪の毛のお友達は、今の授業の所は全部分かっているらしい。
元々、もとの世界で色んな本を読んだり、色んな不思議な生き物と関わってきたからだって言ってた。
お友達は、私があんまり本を読んだりしなかったって言っても、不思議な生き物の事も知らないって言っても、優しく笑ってくれていた。
「あなたが神話の中で生きていたのだったら、後々の解釈の部分はかえって理解し辛いのかも」とお友達は言っていた。
そしてお友達が言うには、不思議な生き物と私は、実際は関わった事があるらしい。
私には、そういう縁を感じるんだって教えてくれた。
そのうち自分を辿る授業もするらしいから、焦らなくても良いそうだ。
そうやって、お友達やアスタロトから色んな事を教えてもらっていたら、少しずつ…何となくだけど、授業で言っている事が、分かった気がするようになってきた。
私がやっていた事がなんでそうなったかって言う事とか、狭間で先にホルがやってくれた事で、私に足りて無かった事があったんだっていう事にも気が付いた。
私は『途中』をもっと気にしないといけないんだって思う。
ただ出来れば良いんじゃなくって、途中をちゃんとすれば、迷惑をかけてしまう事も少なくなるんじゃないかなって気がした。