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第2章・・・【チーム・セイクリッド・オーク】

宇宙船の真ん中の大広間で、パドラスとその仲間の7人が、これから新しくできる星の模型を作っていた。
黄色の星のテイランは、みんなの間を歩き回りながら話していた。

“私たちのプロジェクトは今までにない試みなのです。
シュールのあるエンジェル・ウィング(天使の羽)銀河は、私たちの天の川銀河からは遠く離れていて、今まで誰も行ったことがありません。
何故そんな遠くを選んだかというと、ダークな力が及ばないエリアであることが重要だったからです。
私たちは肉体を持ったまま新しい星に移住して、5次元の星を作るのです。
皆さんは、今まで居たそれぞれの次元から5次元に移ったので、馴染むのに少し時間がかかるかもしれませんが、どうですか?
パドラスさん、だいぶ慣れてきましたかね?”

“はい、少しづつではあるのですが、忘れていた記憶が戻ってきています。
体はまだ変わらないようですが、時々重く感じたり、そうかと思うとふっと軽くなったりで、ちょっと不安定です”
“それは変化が起こっているという証拠ですから、心配ないでしょう。
あなたにはしっかりと覚醒してもらわなければなりません。
星作りの経験があるのは、この中では私とあなただけですからね。
実際にプロジェクトが開始したら、私の右腕になってもらいますから、覚悟しておいてくださいよ”

パドラスはびっくりした。
自分が星を作ったことがあるなんて思ってもいなかったし、これからそれを全部思い出すことができるのだろうかとちょっと心配になった。

“テイランさん、質問してもいいですか?
僕は宇宙人と言うのは、それぞれの星によって外見が違うものだと思っていたのですが、なぜここにいるみんなは僕と変わらないのですか?”
“それはあなたにそう見えているだけです。
もう少し天の眼が開いてきたら、本当の姿が見えるようになりますよ。本当は全員違った顔かたちですよ”

また驚いているパドラスにピンクのサイラが言った。
“地球人を標準としたら、私たちはみんな変な生き物に見えるかも知れないけれど、自分たちの星ではかなりの美男美女が集まっているのよ。
そして全員ヒューマノイドであることは間違いないわ”
“ヒューマノイドではない宇宙人ってどんななのかな?”
“千差万別よ。
牛宇宙人に魚宇宙人、昆虫宇宙人、植物宇宙人、それから悪い宇宙人の代表はトカゲ宇宙人”
“そうそのトカゲ宇宙人に僕の地球は乗っ取られそうになったんです”
“知っているわ、あの連中はいつもどこかの星を乗っ取ろうと企んでいるのよ。
でも光の宇宙人たちが取り締まっていて、地球は陰ながら守られてきたから大丈夫だったのよ”

そこへ銀河本部から緊急のメーセーッジが届いた。
“セイクリッド・オークの諸君、聞こえますか?
こちらは天の川銀河連合本部です。
あなた方に緊急指令を下します。
今あなた方のセイクリッド・オーク号はある惑星に近づきつつあります。
その惑星はダークなエネルギーに汚染されて、もはやオリジナルの惑星人たちは少数に減り、滅亡は直前に迫っています。
救援はすでに派遣されましたが、残念ながら手の施しようがなく戻ってきました。
だがまだ少数の光の子らが生き残っています。
その者たちを助けるように直ちに行動してください”

“了解です”と答えて、テイランはみんなの顔を見渡した。
“チームとしての最初の仕事だ。がんばろう”



更新日:2023-09-03 10:41:06

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セイクリッド・オーク(聖なる樅)・ギャラクシーの旅