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体のない宇宙人・エテオール

“何かが近づいてきます。
親和性のあるもので、危険ではないようです”
サイラが言うが早いか、大きな光がオーク号の前に現れて、みんなは目が眩らんでしまった。

“私たちはエテオールです。
セイクリッド・オーク号の皆さまを歓迎いたします。
ピュアブルー銀河へようこそ”

“ああ、エテオールの方々だったのですね。
わざわざありがとうございます。
この方々はとても親切で愛に満ちていらっしゃいますから、何も心配することはありません”
ヴィーナがオーク号のチームに言った。

“私はリーダーのテイランと申します。
ご親切にどうもありがとうございます。
私たちには大きな光にしか見えないのですが、お姿を現してはいただけませんか?”

“ああ、これはうっかりしていました。
少し波動を下げることにしましょう”
すると大きな丸い光の中に三人の人影が現われ始めた。
青くなったかと思うと緑になり、合間に銀色と金色がチラチラと揺れたり、ピカーと煌めいたりした。

“わー大きな玉虫、じゃない宇宙人だ~”
パドラスはつい声に出して言ってしまった。
“私たちはあなた方からしたら巨人ですね。
とてもあなた方の宇宙船の中には入れないので、ここで話しをするのをお許しください”

“あなた方の星はどんななのですか?
私たちはこれから新しい星を作るので、参考にできたらと思います”

“私たちには住む星はありません。
私たちは8次元に住んでいるので、肉体もないのです。
全員で100人いますが、いつも小さなグループに分かれてあちらこちらを見て回っています。
私たちはピュアブルー銀河のエネルギーを調整し、正しく保つ仕事をしています。
時々100人が一つに集まることがあるのですが、その時は星のようなものが出来上がります。
会議や宴会や休息の時には、場所が必要ですから。
それをクリスタル星と呼んでいますが、クリスタル星は現れたり消えたりするのです”

“クリスタルの星、ロマンチックね”
とサイラがため息をついた。

“私たちは、あなた方が無事にピュアブルー銀河を通りすぎるまで、なにも不都合がないように見守りますので、ご安心ください”
そう言うと光の輪の中の三人の姿が薄れて行き、再び目がくらむほどに輝いたかと思うと、一瞬にして消えてしまった。

“ああ、びっくりした。
あんな宇宙人がいるとは思ってもいなかったな”
ジャラが頭のスパイクをいじりながら言ったが、びっくりしたのはジャラだけではなかった。
ヴィーナを除いては全員にとって初めての経験だったからだ。

“私も何度も会ったことがあるわけではないのよ。
あの人たちが姿を現すのは本当に珍しいのです”
“そうなのか。
私たちのためにわざわざ現れてくれたなんて嬉しいね”
テイランは恐縮して言った。

“おい、ところでパドラス、君もちゃんと彼らの姿が見えたんだろう?”
ジャラがからかうように聞いた。
“うん、見えたよ、大きな人たちだったな。
玉虫色に光っていた。
あっ、と言うことは、僕はみんなと同じ5次元の体になったってことか?”

“そういうことよ、おめでとう”
ヴィーナが言うと、みんな拍手して、パドラスのために喜んでくれた。
“これからはハンデは効かないぞ、パドラス。
みんなと同等に仕事をしてもらうからね”
“任せといてください、隊長。
もう僕はオーク号の操縦だってできる自信がありますよ”

それからみんなで魅惑に富んだエテオールたちのことを話し合い、彼らがまだどこかにいないかと窓の外を探してみた。

“私たち、クリスタル星をいつか見ることがあるかしらね”
サイラが夢見るようにつぶやいた。


更新日:2023-06-05 12:29:57

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セイクリッド・オーク(聖なる樅)・ギャラクシーの旅