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虫たちのハーモニー

コナールは、自分たち昆虫の世界を案内して回った。

“ここは地下を移動する最新の乗り物を作っている工場です”
それからここは、ハチミツを加工して保存する工場”
働きアリや働きバチが忙しそうに仕事をしていた。
昆虫の世界がとてもハイテックなのに、みんなは驚いた。

“今、ここでは、今年の宇宙エクスポに出品する、優れた性能の望遠鏡を作る研究をしているのです”
目玉の大きなトンボと手先の器用そうなカマキリが、まじめな顔で実験をしていた。

“インセクタ星に来たら、ぜひこれを召し上がって行って下さい。
我々が作った宇宙最高の美味のフルーツですよ”
コナールはサクランボのような赤い木の実を、テイランたちに差し出した。
それを一口食べたみんなは、本当にほっぺたが落ちそうになったので、両手で支えなければならないほどだ。

“なんてステキな味でしょう。
思いもよらない未知の味、甘いようで、酸っぱいようで、幸せにならずにはいられない味”
カーシャは感心してほめちぎった。
“それは栄養も満点で一つ食べたら、一年間何も食べなくても命を繋いでくれますよ”

インセクタ星の日も暮れてくると、たくさんの虫たちの大合唱が始まった。
その奏(かなで)は美しく、はるか彼方の宇宙の果て、誰も知らないエター二ティーへと、誘われてゆくようだった。
夕づつが一つ大きく輝きだし、小さな星屑がその周りに揺れはじめた。

“さて、そろそろお別れしなければなりません。
コナールさん、あなたの美しい星を見せてくださってありがとうございました”
テイランが別れ惜しそうに言った。
“いやいやきてくださってありがとう。
宇宙からのお客様はそうはいないんでね。
楽しい時間を過ごせましたよ”

カーシャが、ラピさんたちにもお礼を言いたいと言うと、
“ラピは軍隊を引き連れて、バグダン星に向かいました。
コオロギ族を懲らしめて、捕虜になっている蜘蛛たちを助けに行ったのです。
きっとみんなを助け出して、無事に帰ってくることでしょう”

オーク号とシーダ号は、蛍たちが創り出す、色とりどりの光のアートに照らされる中を、お互いに反対方向に向けて出発した。
シーダ号は天の川銀河の内に向かって、オーク号は外に向かって、まだまだギャラクシーの旅は続くのだった。

更新日:2023-05-11 18:28:35

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セイクリッド・オーク(聖なる樅)・ギャラクシーの旅