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セルビーについてテイラン、ジャラ、パドラスの三人はさらに山の奥深くへと入って行った。
セルビーが歩きながら話し始めた。

“私たちの村には、約2000人が住んでいます。
みなザルファ人に侵略された社会から逃れてきたのです。
もうこの国で生き残っているのは私たちだけのようです。
20年ほど前に、最初に私の祖父がこの山のふもとに住み始めました。
私はまだほんの赤ん坊だったのですが、電気も水道もない昔のままの生活の中に、誰からも何も強要されない自由があったのです。
そこへ同じ考えの人々が徐々に集まってきて、集落ができてきました。
村人たちが2000人近くなった時、山崩れが起きて道が塞がれ、誰もここへやってくることができなくなりました。
そのおかげで、今も私たちは誰にも邪魔されることなく、調和の取れたコミュニティーを保っていられるのです。
でも彼らは、全ての人間を完全に自分たちの支配下に置くまであきらめません。
最近は林の中で見知らぬ人間がうろついているのを見かけるようになりました。
一体どこから入ってくるのか、たぶんまた道を開通させたのかもしれません”

“ザルファ人とはどういう宇宙人なのですか?”
“見た目は私たちと同じなのです。
全く変わりません。
でも考え方は違っています。
人の立場を考えることはしないし、迷惑をかけたり痛めつけることなどお構いなしです。
そういう人間たちが国の権力者になっているのですから、国民はたまりません。
なんでも自分たちの都合が良いように決めるし、私服を肥やすことだけを考えているのですから”

テイランは宇宙船に残っているカぺルに聞いた。
“カぺル、ザルファ星人のファイルを送ってくれるか?”
すると、テイランの手のひらに文字や絵が現れた。

“「ザルファ人が初めて地球に来たのは、約一万年前」、古代エジプトの5000年ぐらい前だな。
最初はたった一人のザルファ人が他の宇宙人にくっついてきたようだ。

「ザルファ人は肉体を持たないアストラル界の生き物だが、次元が低いため、その性格としては自己中心が特徴。
肉体を持たないため人間の肉体に憑依して、地球上での生活を体験するしかない」
ふーん、そういうことか。
だからみんな体を乗っ取られて洗脳されてしまったんだね。
「ダークな想念をエネルギー源として増幅する。
耐久性が強いから要注意」ということだ”

“そんな者たちに憑依されずに生き残っているあなた方は、きっと強いのですね。
DNAの中に他とは違ったものを持っているのかも知れません。”
パドラスはセルビーに言った。
“そうかもしれません。
特別の人種だというようなことを、私の祖父が言っていました”

村の入り口に近づくにつれ、一人の男が出迎えているのが見えた。
“私はリーダーのハイロです。よく来て下さいました”
戦士のように逞しいその男は、見かけによらず優しい口調で握手を求めた。

更新日:2023-03-18 12:09:33

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