- 10 / 68 ページ
チームの初仕事
“惑星の名は「地球β(ベータ)」”
データーを集めてきたカぺルの言葉に、“えっ、「地球β」だって?”とみんなが頭をひねった。
“そう、パドラスがいた星は地球A(アルファ)。
地球AとBは同じ時に全く同じ環境に作られたんだ。
双子星としてね。
だけど進化する過程で著しい違いが起きてきた。
そして、今では地球Aは、銀河連合保証付きの優秀な星になった。
だが地球Bは、残念ながら悪の宇宙人ザルファに乗っ取られて、滅亡の道をたどるしかない運命だ。
人々は徐々にザルファに洗脳されて、人間本来の善の性質が消えていってしまい、自分勝手で強欲な人間に変わっていった。
他人を思う心などみじんも持たない、悪魔のような生き物になってしまったのだ”
そこでパドラスが口をはさんだ。
“僕の地球も一時期そういう時代があったよ。
トカゲ一族に支配されかかったんだ。
でも人々がだんだんに目覚めて立ち上がり、力を合わせて戦って、結局、光が悪に勝ったんだよ。
だがたくさんの犠牲者が出てしまった。
多くの命と引き換えに手にした自由を、大切な宝として、二度と手放すことがないようにと、それからは誰もが光に顔を向けて生きてゆくようになったんだよ”
カぺルが続けた。
“人々が立ち上がったことが、運命の分かれ目となったんだね。
地球Bにも目覚めた人々がいたが、ザルファ人は陰険な戦略家で、悪のエネルギーを蔓延させて自由を奪ってしまった。
今約2千人、彼らに抵抗した人たちが高山に逃れている”
“パドラス、君は地球Bの人たちの状況が良く解るということだね、では私と一緒に来てくれ。
それからジャラは光のマシンガンを持ってついて来てくれ”
“任してください、僕は料理にも長けてはいるが、専門は戦闘だから、射撃には自信がありますよ”
“いや、光の人たちをその星から救い出すのが目的で、敵と戦うのは極力避けなければならない。
我々の手には負えない数だからね。
あくまでも援護を頼むよ、ジャラ”
“了解しました”
ジャラはテイランに敬礼した。
“それではサイラ、小型の宇宙船シューティング・スター号を出してくれ”
サイラの操縦するシューティング・スター号に乗って、テイラン、ジャラ、パドラスの三人は地球Bへと向かった。
大気圏の中に入り海や山が見えてくると、“やあ本当に僕の住んでいた地球にそっくりだ”とパドラスは驚きの声を上げた。
“サイラ、右前方の山脈に向かってくれ。
避難した人々はその一番高い山の中に隠れている”
セイクリッド・オーク号からカぺルの指示が聞こえてきた。
“OK。目的地をインプットしてあとは自動で近くまで行けるわ”
“そうだ、いいぞ。
ではここから次元を飛び越えるんだ。
三次元に出現するので、地上の人たちの目に留まるようになるから十分気を付けてくれよ”
“任せておいて、ここからはマニュアルで行くわ”
サイラは慣れた手つきでボタンを押したり、ハンドルを傾けたりしながら操縦していった。
“どこかよい場所を見つけて着陸してくれ”
テイランが言った。
サイラはしばらく旋回してから、木に囲まれた平地を見つけて降下していった。
データーを集めてきたカぺルの言葉に、“えっ、「地球β」だって?”とみんなが頭をひねった。
“そう、パドラスがいた星は地球A(アルファ)。
地球AとBは同じ時に全く同じ環境に作られたんだ。
双子星としてね。
だけど進化する過程で著しい違いが起きてきた。
そして、今では地球Aは、銀河連合保証付きの優秀な星になった。
だが地球Bは、残念ながら悪の宇宙人ザルファに乗っ取られて、滅亡の道をたどるしかない運命だ。
人々は徐々にザルファに洗脳されて、人間本来の善の性質が消えていってしまい、自分勝手で強欲な人間に変わっていった。
他人を思う心などみじんも持たない、悪魔のような生き物になってしまったのだ”
そこでパドラスが口をはさんだ。
“僕の地球も一時期そういう時代があったよ。
トカゲ一族に支配されかかったんだ。
でも人々がだんだんに目覚めて立ち上がり、力を合わせて戦って、結局、光が悪に勝ったんだよ。
だがたくさんの犠牲者が出てしまった。
多くの命と引き換えに手にした自由を、大切な宝として、二度と手放すことがないようにと、それからは誰もが光に顔を向けて生きてゆくようになったんだよ”
カぺルが続けた。
“人々が立ち上がったことが、運命の分かれ目となったんだね。
地球Bにも目覚めた人々がいたが、ザルファ人は陰険な戦略家で、悪のエネルギーを蔓延させて自由を奪ってしまった。
今約2千人、彼らに抵抗した人たちが高山に逃れている”
“パドラス、君は地球Bの人たちの状況が良く解るということだね、では私と一緒に来てくれ。
それからジャラは光のマシンガンを持ってついて来てくれ”
“任してください、僕は料理にも長けてはいるが、専門は戦闘だから、射撃には自信がありますよ”
“いや、光の人たちをその星から救い出すのが目的で、敵と戦うのは極力避けなければならない。
我々の手には負えない数だからね。
あくまでも援護を頼むよ、ジャラ”
“了解しました”
ジャラはテイランに敬礼した。
“それではサイラ、小型の宇宙船シューティング・スター号を出してくれ”
サイラの操縦するシューティング・スター号に乗って、テイラン、ジャラ、パドラスの三人は地球Bへと向かった。
大気圏の中に入り海や山が見えてくると、“やあ本当に僕の住んでいた地球にそっくりだ”とパドラスは驚きの声を上げた。
“サイラ、右前方の山脈に向かってくれ。
避難した人々はその一番高い山の中に隠れている”
セイクリッド・オーク号からカぺルの指示が聞こえてきた。
“OK。目的地をインプットしてあとは自動で近くまで行けるわ”
“そうだ、いいぞ。
ではここから次元を飛び越えるんだ。
三次元に出現するので、地上の人たちの目に留まるようになるから十分気を付けてくれよ”
“任せておいて、ここからはマニュアルで行くわ”
サイラは慣れた手つきでボタンを押したり、ハンドルを傾けたりしながら操縦していった。
“どこかよい場所を見つけて着陸してくれ”
テイランが言った。
サイラはしばらく旋回してから、木に囲まれた平地を見つけて降下していった。
更新日:2023-03-21 12:38:02