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第3話「許嫁モモ」
1
十二歳――
それはウッタッタ一族の男達にとって成人の仲間入りする年齢を意味する。
心と体の準備ができているかどうかは関係ない。これは王命である。
王命に逆らえば死刑が言い渡されるイカれた制度、イカれた国
人権なんてものはこの国にはないのだろう。
いいやだからこそシオリ・カモミールという女が国を相手にクーデターを起こしたのであろう。
国民から多額の血税を巻き上げ、傍若無人のように搾取するオルフィー国は前から国際社会から問題視されていた。
そして俺はオルフィー国を牛耳り、私腹を肥やすウッタッタ一族の一人
世間からはそう思われているだろう
「このイカれた貴族共め、もっと民の生活に向き合い、寄り添い、まともな行動を取れ!」
だが俺は声を大にしていいたい。
ウッタッタ一族の男も楽じゃないよと
朝から晩まで魂をすり減らし、勉学と仕事に奔走し、夜更けにはクタクタになった体で種馬としての役目を果たさなければいけない。
許嫁の女、たいていは好きでもない嫁を抱き、種を植え付け、できるだけ早く妊娠させること
そしてたくさん生まれる子供たちや嫁を養うために倒れるまで働かされる。
企業でいえば超ブラック企業。しかも退職不可能、社長に逆らえばリストラ、いいや死刑だ。
富国強兵、子孫繁栄のために生きよ
それが社訓であり、社長(家長)には絶対服従
先輩たちは口を揃えて十二歳は人生の墓場だという。無邪気で気ままだった少年時代は突然終わりを告げる。だが生き抜くためには決して避けて通れない道。
そして今日はその通過儀礼(イニシエーション)
できるかできないかではない、やるしかないと!
やらなければ待つのは死のみ
俺は誕生日を迎える前日、飛び降り自殺をしたくてたまらなかったがそんな勇気もでず、結局泣きながら夜を明かした。
十二歳――
それはウッタッタ一族の男達にとって成人の仲間入りする年齢を意味する。
心と体の準備ができているかどうかは関係ない。これは王命である。
王命に逆らえば死刑が言い渡されるイカれた制度、イカれた国
人権なんてものはこの国にはないのだろう。
いいやだからこそシオリ・カモミールという女が国を相手にクーデターを起こしたのであろう。
国民から多額の血税を巻き上げ、傍若無人のように搾取するオルフィー国は前から国際社会から問題視されていた。
そして俺はオルフィー国を牛耳り、私腹を肥やすウッタッタ一族の一人
世間からはそう思われているだろう
「このイカれた貴族共め、もっと民の生活に向き合い、寄り添い、まともな行動を取れ!」
だが俺は声を大にしていいたい。
ウッタッタ一族の男も楽じゃないよと
朝から晩まで魂をすり減らし、勉学と仕事に奔走し、夜更けにはクタクタになった体で種馬としての役目を果たさなければいけない。
許嫁の女、たいていは好きでもない嫁を抱き、種を植え付け、できるだけ早く妊娠させること
そしてたくさん生まれる子供たちや嫁を養うために倒れるまで働かされる。
企業でいえば超ブラック企業。しかも退職不可能、社長に逆らえばリストラ、いいや死刑だ。
富国強兵、子孫繁栄のために生きよ
それが社訓であり、社長(家長)には絶対服従
先輩たちは口を揃えて十二歳は人生の墓場だという。無邪気で気ままだった少年時代は突然終わりを告げる。だが生き抜くためには決して避けて通れない道。
そして今日はその通過儀礼(イニシエーション)
できるかできないかではない、やるしかないと!
やらなければ待つのは死のみ
俺は誕生日を迎える前日、飛び降り自殺をしたくてたまらなかったがそんな勇気もでず、結局泣きながら夜を明かした。
更新日:2023-01-26 23:42:50