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プロローグ「もう半分になったのか?」

時に二十一世紀末。
機械と生物の融合したインベーダーとされる「マチーネ帝国」の脅威により、人類の世界は存亡の危機に瀕していた。かつての都市の大部分が灰燼と化して、無事に生存する人口は五分の一の十二億人しか残されていないと推測されている。
反撃のための「フォーススーツ」と呼ばれる強化戦闘服が開発され、得意な機能別の五種類(ただし適当に得意機能が重複しているために相互で代替できる)で一戦隊チームを構成。最初にまず三十組が投入された。次いで増産された装備で追加の五十組。
しかし生産設備と研究施設の破壊によって、そこでフォース戦隊の増員はストップする。さらには合計八十組の戦隊中の五十組までが壊滅。現在は生き残りによる再構成チームを含めて、世界で四十組ほどの「フォース・チーム」が抵抗している。

「もう半分になったのか?」

そう呟いた司令官も一ヶ月後には、裏切り分子かスパイにでも撃たれて死亡していたそうだ。俗説ではトイレで女性秘書と一緒に折り重なって、蜂の巣にされていたそうである。
各国の軍隊の多くは壊滅しており、マチーネ帝国のモンスターや怪人に対抗するには通常の対人兵器では戦力不足でもある。人間がいる市街地に入り込まれれば爆弾で吹き飛ばすわけにはいかず、放射能汚染を考えれば核兵器もむやみ使えない(多くは失われていた)。どうしても白兵戦にならざるを得ないため、普通の兵士では対抗しきれない。
それゆえに戦況は不利かつ絶望的であった。

更新日:2023-01-12 08:51:06

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