井原我引はアイルランド系アメリカ人として生を受け、幼少期に大の親日家の父親の勧めで日本に移住する。其処では日本独特の汎神教的な風習に戸惑いを見せつつも持ち前のバイタリティで順応する。

　そしてガインは高校生に成って初めて女子からの告白を受ける。相手は一年先輩の……「井原君、大好きです。付き合って下さい！」『文月エレナ』だった。場所は校舎裏の一本の木が聳える。

　其れに対する我引の答えは……「悪い、僕はそうゆうの興味ないから」の一言で撃沈させる！

「オイ、空気を読まないのかよ……」「エレナ御姉様は一生懸命悩んだ末にあんたに告白したんだよ……其れを踏み躙るのお！」という声には風を切るかのようにガインは踵を返し、其の場を離れようとしてゆく！

「嫌だね、僕は程々の人生で十分。平々凡々に一生を終えるつもりさ。家族もなく、孤独にな」

「其れがお前の人生か、其れはキリスト教圏で生まれたが故の生き方か？」目の前に高身長且つと在るクラブの専属コーチが足を運ぶ。

「あ、泥司先生……だったっけ？」

「凛で良い。其れもキリスト教圏での呼び方だろ？」

「コーチ、井原君を行かせて下さい！」

「だが、お前を一方的に振った男を私は許さん主義でね。如何しても、というなら力づく……」「其れは嫌だなあ、理由なく暴力揮うの拙は好きじゃねえもん！」と一瞬の隙を衝いて凛の脇を潜って逃げ去る我引。

　兎に角、我引は地味だが極少数の女性にモテる模様。だが、其れに関して己自身が望まない為に男なら幸せを掴めるで在ろうあらゆる機会を自ら放棄する。そうして青春時代は刻一刻と過ぎ、我引は嫌に成るような上級生の道へと進もうとしていた……「中学生の時もそうだけど、進路希望は鬱に成るんだな。如何しよう、大学に行く気はないしなあ。あ、そうだ。此処は第一希望で何でも屋にしてみよう。第二希望に金持ち、第三希望に上級国民……うん、完璧だ！」