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 ククはあたかも世界の常識のように言った。
「この世界にはフミコっていう闇の魔導師がいるのね。ククちゃんと師匠はその魔導師を倒すために旅をしているの?」
「そうよ、でもあいつ、各地で暴れまわっているのに智広様が来ると煙のように逃げるんだよね。そのせいで私は永遠に放置プレイよ」
「放置プレイって放置でいいんじゃないの、ククちゃん。ちょっとエロい……」
「いちいち反応しているあなたがエロいのよ。とりあえず、今はここで自分の学んだ魔法を実践しながら人々を助けているってわけ。リカも戻ってきたからにはしっかり働きなさいよ」
 ククはアヤカをまくし立てるように喋った。
「リカちゃん働きすぎたから休職していたのよ、また頑張ったら体壊しちゃうわ」
 アヤカが両手をパタパタさせながら止めるように言う。
「壊れないでしょ、師匠がチートアイテムをリカに渡したって言っていたわ」
「チートアイテム?」
「エメラルドの冠と緑色魔晶石よ」
「そういえば不思議な魔導師がやってきていくつかアイテムを置いていったわね。初対面だしよくわからなかったし、つけたら呪われそうだからまだ家においてあるわ……捨ててはいないけど」
 リカがモゴモゴとしながら言う。
「リカって案外慎重派なのね」
「いいや案外じゃなくてどこの骨のものかわからない魔導師からもらったアイテムなんて普通ゴミ箱に捨てるでしょ。怖すぎるよ!」
 アヤカもリカに賛同した。
「あっそう、私だったら装備するけど!」
 とククはムキになって反論した。
「ククちゃんは無防備すぎるって」
 とアヤカが言う。
「いくらチートアイテムもらっても装備しないと意味ないわ……ああん、面倒くさいなあ。私が使い方説明するわ」
「ちなみにエメラルドの冠はなにができるの?」
「うーん、エメラルドの冠については私もわからない。忘れちゃった」
「ダメじゃん!」
 アヤカが猛烈に突っ込む。
「うるさいわね、でももう一つ渡した魔晶石はわかっているわ。一言で言うとガソリンタンクね」
「ガソリンタンク?」
「うん、そうよ。リカもアヤカも知っているだろうけど魔法を使うためにはエネルギーが必要なわけ。車だってガソリンがないと動かないでしょ。この魔晶石はね、そのエネルギー、すなわちガソリンをたくさん蓄えることができるのよ。リカの肉体はもともと脆弱で自前の肉体じゃ魔法力を貯められない、つまりあんたの体は小さいガソリンタンクしか備えていないのよ。だからすぐにバテる」
「なるほどね……じゃあ魔晶石を埋め込むことで私の魔法力もかなり上がるってことね」
「まあそういうことになるんだけど魔晶石単独じゃそこまで望めないわ。あくまでも魔晶石はガソリンタンク。中にガソリンが入っていないと意味ないじゃない」
「たしかに……」
「それにガソリンを魔法エネルギーや運動エネルギーに効率的に変換する術を学ばないといけないわ。それとガソリンすなわちエネルギーを溜め込むスキルも必要」
「エネルギーを溜め込むってどうやるの?」
「話せば長くなるわ、でも簡単に言うと余剰エネルギーを魔晶石に吸収させればいいの。ありあまったエネルギーを無駄に発散させるのではなくて効率的に魔晶石に込める」
「余剰エネルギーね……そんなものあるのかしら?」
 とアヤカが言う。

更新日:2022-11-13 00:19:41

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エメラルドの守護人「生涯の誓い」