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「そっそうなの!?」
「うん、そうよ。ナナはできればずっとここにいたい、たしかにシンさんは自分勝手でマイペースな人だけどとても優しいところもあるし、私の悩み、辛さをわかってくれている。ナナを慰めてくれる。私を一人の女性としてみてくれる」
「一人の女性……いつもいるところではちがうの?」
「ウッタッタ一族は男尊女卑。女に人権はない。政治的な発言はタブーなくせにたくさん学ばせて働かされて産まされて、そして使い物にならなくなったら捨てられていく。男だって選べないし、自分の意志を通すことも許されない。外から見えば華やかに見えるかもしれないけど実態はそんなものよ」
「そっそんな……ひどい」
「ナナは……自由になりたいの。自分の持てる力で弱き者たちを多く救いたい。私の拳は戦争のためにあるわけではない。それなのにウッタッタ一族は力で民を押さえつけて苦しめている。私はただそれを見ているしかできないの。それが辛いの……」
「ナナちゃん……そんな事情があったのね」
「ごめんね、なんだか愚痴を言っちゃって」
 ナナはあふれかえる涙を両手で拭う。
「ううん、いいの。そうよね。そんなにひどいんじゃここにいたいよね」
「うん、でもそれもできない。私はウッタッタ一族最強の女。だから涙を見せるのはリカちゃんとシンさんだけ。あそこでは私は気丈に振る舞わないといけない。あの場所では私は太陽にならないといけないから」
「太陽……そうか、太陽でありつづけるのはとても大変なのね。リナお姉ちゃんも……」
「しっているよ、今、この星で一番強い魔導師。リカちゃんのお姉ちゃん、ナナはね……あの人が目標なの。もっともっと強くなって必ずあの人を超えてみせる。そして……リカちゃんと一緒にこの星に巣くう闇を払ってみせる。それが私の夢」
「ナナちゃんならばきっとできるよ。ナナちゃんはとても強いから」
「私は地上界最強の魔導師になるんだ。必ず!」
 ナナはグッと拳に力を込めた。
「でも……そのために払う犠牲も大きい」
 リカはため息を付いた。
「リカちゃんってすごくエッチだけど一途な女性ね。なんだか尊敬しちゃうな」
 ナナはクスクスと笑う。
「えっえっええええええっ!」
 リカは全身が真っ赤になって口元を手で覆った。目が点となり頭から湯気が出た。
「なんだか元気が出ちゃった。じゃあ気を取り直して一緒にお風呂に入りましょう」
「一緒にってドラム缶よ、定員一人よ」
「細かい事は気にしないの。リカちゃんの背中ナナが洗ってあげるから」
「いいって……」
 リカは恥ずかしそうに言う。だが結局二人は仲良くぎゅうぎゅうとしながら風呂にはいるのであった。




更新日:2022-11-13 00:17:39

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