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第1話「二人の天使」
1
リナとリカはまだ見ぬ新天地を求めて大きなバックパックを背負い、旅を続けていた。荒々しい荒野の砂嵐を越えて、荒波にもまれながら海を超えていった。獰猛な山賊や海賊、野生モンスターから襲撃にあいながらも生きながらえた。
もちろん途中何度も大怪我をしたし、レイプもされた。食料が尽きて餓死の危機にもさらされた。またリカに関しては病気にもなった。だがどの局面においてもリナのチート能力によって乗り越えることができた。
ある日突然故郷を失い、両親を失ったふたり
だが悲しみに浸る時間はなかった。十三歳のリナは少女のあどけなさを残しつつも肉体は美しく鍛え上げられており外面、内面的にも凛々しくみえた。エメラルド色の瞳、腰まで伸びるストレートのエメラルド色の髪をピンク色のシュシュで一つに束ねていた。
一方妹のリカはエメラルド色のふわふわした髪と瞳をしており、どちらかというと柔らかであり守ってあげたくなるような可愛らしい容貌をしていた。
だが見かけに反して肝は座っており、姉の影響を受けて厳しく険しい旅の途中で弱音を吐くこともなく気丈に振る舞っていた。もちろん本当は泣きたくなることもたくさんあるし、甘えたくもなった。
リナにはそれを受け入れる優しさと器量があった。だがリカはできるだけリナを困らせたくなかった。自分が不甲斐ないせいで姉の足を引っ張り危機に陥ることも多かった。数週間前に姉妹そろって山賊にレイプされたときもその数日前に自分が敗血症になっていなければリナが敗れるはずもなかった。
上級回復魔法はかなりの魔法力を消費する。自分さえいなければ……
そんな思いがよくよぎったがそのたびにそれを察したリナは自分を慰めてくれた。リカは強くて優しい姉が大好きだった。
今日もしばらく断崖絶壁を登っては降りていくことを繰り返し、裾野を歩き続け黄昏が落ちたところでリナはテントを張った。あたりには靄が広がっており、地面は緑色の苔で覆われていた。リナは全身の感覚を研ぎ澄まし、人気がなく獰猛な野生モンスターがまわりにいない場所を野営場所に決めた。あたりはとても寒かったために二人はこの一日各所で集めた枝を足元に置き、焚き火した。ほのかな炎が灯るとともに二人の冷えた体が温められた。
リナとリカはまだ見ぬ新天地を求めて大きなバックパックを背負い、旅を続けていた。荒々しい荒野の砂嵐を越えて、荒波にもまれながら海を超えていった。獰猛な山賊や海賊、野生モンスターから襲撃にあいながらも生きながらえた。
もちろん途中何度も大怪我をしたし、レイプもされた。食料が尽きて餓死の危機にもさらされた。またリカに関しては病気にもなった。だがどの局面においてもリナのチート能力によって乗り越えることができた。
ある日突然故郷を失い、両親を失ったふたり
だが悲しみに浸る時間はなかった。十三歳のリナは少女のあどけなさを残しつつも肉体は美しく鍛え上げられており外面、内面的にも凛々しくみえた。エメラルド色の瞳、腰まで伸びるストレートのエメラルド色の髪をピンク色のシュシュで一つに束ねていた。
一方妹のリカはエメラルド色のふわふわした髪と瞳をしており、どちらかというと柔らかであり守ってあげたくなるような可愛らしい容貌をしていた。
だが見かけに反して肝は座っており、姉の影響を受けて厳しく険しい旅の途中で弱音を吐くこともなく気丈に振る舞っていた。もちろん本当は泣きたくなることもたくさんあるし、甘えたくもなった。
リナにはそれを受け入れる優しさと器量があった。だがリカはできるだけリナを困らせたくなかった。自分が不甲斐ないせいで姉の足を引っ張り危機に陥ることも多かった。数週間前に姉妹そろって山賊にレイプされたときもその数日前に自分が敗血症になっていなければリナが敗れるはずもなかった。
上級回復魔法はかなりの魔法力を消費する。自分さえいなければ……
そんな思いがよくよぎったがそのたびにそれを察したリナは自分を慰めてくれた。リカは強くて優しい姉が大好きだった。
今日もしばらく断崖絶壁を登っては降りていくことを繰り返し、裾野を歩き続け黄昏が落ちたところでリナはテントを張った。あたりには靄が広がっており、地面は緑色の苔で覆われていた。リナは全身の感覚を研ぎ澄まし、人気がなく獰猛な野生モンスターがまわりにいない場所を野営場所に決めた。あたりはとても寒かったために二人はこの一日各所で集めた枝を足元に置き、焚き火した。ほのかな炎が灯るとともに二人の冷えた体が温められた。
更新日:2022-11-09 22:26:50