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第8話「カリンの遺産」
1
テムル国南部ジョバン州――
シュパッ――
夜空にエメラルド色の閃光がきらめいた瞬間、何千、いいや何万もの魔導師が一瞬にして気絶した。はたから見ると十キロほどの巨大なエメラルド色の蛍光灯がひかるように見えた。
テムル国の南部ジョバン州に位置する広大な村にフミコの使徒とシグマが率いる闇の魔導師たちが奇襲をかけたのだった。
だがそれはリナによってあっさりと打ち破られた。たいていの魔導師が自分の身に何が起きたのかさえ分からない。気づいたら首の後ろを強打され、気絶させられていた。
フミコの使徒のひとりであり今回の奇襲の主犯となったサディスト・マスクは両手両足を切断され、リナにエメラルド色の光刃を首元に突き付けられた。
「あなたたちの目論見は失敗したわね。最後に言い残すことは?」
「ばっばけものめ……」
リナは光刃でひと突きしてサディスト・マスクにとどめを刺した。だがその直後にリナは一人の男の気配を感じた。かなりの殺気を感じた。そしていまにも襲い掛かってきそうだと
リナが反射的に斬りかかると男はにやりと笑い素早く赤き光刃を起動して彼女のエメラルドの光刃を受け止めた。身長は二メートル近くあり棘のように固く吊り上がった黒いまつげ、鋭い目つき、紅色と朱色がまじりあう炎を想像させる髪、威厳のある鼻ひげと口ひげをまっすぐに鋭く伸ばした男
先ほどまで戦っていた魔導師とは比べ物にならないくらい強い男だった。リナは閃光のごとく斬りつけた。あたりの空気が揺さぶられ衝撃波が走った。シグマの口髭と顎髭が大きく揺さぶられた。だが彼はびくともしなかった。むしろリナの山をも砕く一撃をばねのように受け止めて弾き飛ばし、彼女を三十メートル先にある石碑にたたきつけた。石碑はバラバラになり、リナもばらばらとなった石碑とともにころころと後方に転がっていった。
テムル国南部ジョバン州――
シュパッ――
夜空にエメラルド色の閃光がきらめいた瞬間、何千、いいや何万もの魔導師が一瞬にして気絶した。はたから見ると十キロほどの巨大なエメラルド色の蛍光灯がひかるように見えた。
テムル国の南部ジョバン州に位置する広大な村にフミコの使徒とシグマが率いる闇の魔導師たちが奇襲をかけたのだった。
だがそれはリナによってあっさりと打ち破られた。たいていの魔導師が自分の身に何が起きたのかさえ分からない。気づいたら首の後ろを強打され、気絶させられていた。
フミコの使徒のひとりであり今回の奇襲の主犯となったサディスト・マスクは両手両足を切断され、リナにエメラルド色の光刃を首元に突き付けられた。
「あなたたちの目論見は失敗したわね。最後に言い残すことは?」
「ばっばけものめ……」
リナは光刃でひと突きしてサディスト・マスクにとどめを刺した。だがその直後にリナは一人の男の気配を感じた。かなりの殺気を感じた。そしていまにも襲い掛かってきそうだと
リナが反射的に斬りかかると男はにやりと笑い素早く赤き光刃を起動して彼女のエメラルドの光刃を受け止めた。身長は二メートル近くあり棘のように固く吊り上がった黒いまつげ、鋭い目つき、紅色と朱色がまじりあう炎を想像させる髪、威厳のある鼻ひげと口ひげをまっすぐに鋭く伸ばした男
先ほどまで戦っていた魔導師とは比べ物にならないくらい強い男だった。リナは閃光のごとく斬りつけた。あたりの空気が揺さぶられ衝撃波が走った。シグマの口髭と顎髭が大きく揺さぶられた。だが彼はびくともしなかった。むしろリナの山をも砕く一撃をばねのように受け止めて弾き飛ばし、彼女を三十メートル先にある石碑にたたきつけた。石碑はバラバラになり、リナもばらばらとなった石碑とともにころころと後方に転がっていった。
更新日:2022-12-08 07:29:43