ハニートラップとは性欲を利用した工作手段の事。此れのせいで日本の政治屋は他国の言いなりにされていると言っても過言じゃない。じゃあ罹らなければ良いじゃないか……そう思うのも甘い。人を好きに成る事が悪いと言うのと同じだ。好きに成ったから仕方ないじゃん……故にハニートラップとは上手く付き合わないといけないのだ！

　そんな訳で此処O府H市に在るハーレム相談所では人集こそ地味だが、其れなりに人は来る。今回もハニートラップに悩む小太り中年男性が入って来る……「え？　鼻穿りながら招待するんじゃないの？」そして相談所の主は人格破綻者と誤解される。

「だからハーレム相談所のあいつと一緒にするな。そんな事よりも良くぞ来て下さった。俺は此の相談所を経営する『羽仁虎雄（ハニ　トラオ）』だ。では氏名と其の他概要欄を簡単に記して下さい」其れからハニは次のように尋ねる。「早速だがどんな御用件で足を運んだのですか？」

「はい、実は私……ハニートラップに掛かってしまいました」

「其れは御気の毒に。一体どんな方が貴方を嵌めたのですか」

「はい、実は情けない事に十六歳に成ったばかりの娘でしてね」

「有無、何も言いませんぞ……」少しドン引きしながら話を聞く羽仁。

「ええ、私はロックバンドのラルクアンシエルが大嫌いであの低身長のHYDEが嫌でライブに行きたくないと言っているのに娘は其のライブに行かせるのですよ」

「え？　え？」其処でハニは暗雲立ち込める事に気付き始める。「えっと娘さんの色香に騙されたのではないですか？」

「違いますよ、席を確保して欲しいって娘がしつこくて。仕方なく席を確保するとラルクのHONEYが流れて思わず熱狂してしまい……」「其れは単に曲が好きなだけじゃねえかああ！」と禁断の近親相姦でなかった事を安堵すると同時に真面じゃない相談に怒声を浴びせてしまうハニ！

　実はこんな場違いは初めてではない……