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in マサラタウン&船の旅

オレ、マサラタウンのサトシ・・・歳は、5つだ
これは、オレが初めて、マサラタウンを離れた時の話だ

そう、これがオレにとって、人生初の旅だった

オレの家は、はっきり言えば、それほど裕福って訳じゃない

だからといって、生活がキツキツって訳じゃないけど、旅行なるものに行った記憶なんて、少なくともオレの五年間の記憶にはない(赤ちゃんの時の写真とかにもそういうものはなかったし、ママに聞いても苦笑いを返されるのみだ)

まあ、遠出と言えばせいぜい、トキワシティって言って隣町へ行くくらいだ

そんなオレがなんで、初めての長い旅・・・もとい旅行ってものに行くのかと言うとだ

「サトシ、サトシ!」

バタンとオレんちの古く開ける際はギシギシと不穏な音を立てる扉を勢いよく乱暴に開けるのは誰だかなんて決まっている

「シゲル・・・オレんちふるいからもうっちとやさしくあけてくれよ」
「ああ、ごめん、だってこうふんしてるんだもん」
「こうふん?」

こいつは、オレの友達だ、友達の中でも特に仲が良い
前は、ここよりも都会に住んでいたらしい
オーキド・シゲルっていう、この村の唯一の大きな建物である
オーキド博士っていうじいさんのオーキド研究所って言うんだ、オーキド博士ってみんなは呼ぶんだけど、この時期のオレは、オーキド博士の事、オーキドのじいさんって呼んでたんだよな、・・・この時期のオレは知らなかったんだけど、オーキドじいさんは、世界的に有名だとかいうポケモン第一人者であるポケモンの博士なんだって、こっちもオレにとっては親友で友達と思ってる、その博士の孫、それがシゲルなんだ

シゲルの事も、実は有名なんだとか、それも全くさっぱり知らなかったといえば、シゲルとオーキドのじいさんや、ママ、ちぃばあ以外の奴には呆れた目で見られるんだ

オレの感覚がいまいち他と合わないのを、よくシゲル以外の友達に言われるんだけど、そんな有名な博士で、その孫だといえば、話すのも少し躊躇するもんだとか、間違っても、オーキドのじいさんだとか、オーキド博士に向かって言うなんてとても出来ないって、オーキドのじいさんも、シゲルもとっても良いやつだし話しやすいし、そんな事これっぽっちもないと思うんだけどな・・・

なんだよな、シゲルも、オーキドのじいさんも、有名だからって仲良くしちゃいけないのかよー!

ってシゲルやオーキドのじいさんに正直に言えば
「サトシはそれでいいんだよ」
「ああ、さよう」と二人して言われたっけな・・・

オーキドのじいさんって呼ばないほうがいいのかって本人に聞いたら
「サトシの好きに呼べばいいさ、わしは結構気に入っとるぞ」
と気さくに言ってくれた事は、記憶に新しい
シゲルも、可笑しそうに笑いつつも頷いていたっけな・・・

更新日:2022-07-22 15:42:59

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