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第8話 逃走中

挿絵 800*534

始まりあたりの詳細は少し忘れてしましました。
見知らぬ外国人の男性数名に突然追いかけられ、複合施設の中に逃げ込むところから始まります。

† †

私は街の中を歩いていました。今、歩いている街がどこの街なのか分からないのですが、目的としている店はわかっているようで、そちらをめざして歩いていました。この街には、大小様々なオフィスビル群と商業施設が立ち並び、制服を着た人やスーツ姿、私服の人などバラバラで多くの人が行き交い忙しそうです。
私は視線を感じて立ち止まり、その方向に視線を移すと、見覚えのない外国人の男性と目が合いました。その男性は、ハッと何かに気づいて近くにいる別の外国人男性に話しかけ、2人で追いかけてきました。バタバタと足音が少しずつ増えてきました。追いかけてくる男性は、欧米人やインド人とか国籍がバラバラの男性が5人くらいいたでしょうか。私は、とにかく逃げるなら人の中だと判断し、目の前にある建物に逃げ込みました。白っぽい建物に入ると、どうやらショッピングモールだったようです。主婦や親子など様々な買い物客が店内を歩いていました。
このショッピングモールの内部は螺旋構造になっていて、見上げても天井の見えない塔のようでした。私はお客さんに紛れながら、スロープを上へ駆け上がりました。中階だと思うのですが、ちょっと薄暗い感じが見つかりにくいかもと判断して入りました。アマゾンのような水族館みたいなところでした。
この時、振り返っても誰もいなかったのですが、もっと奥に行かなければと思って進んでいると、外国語で叫ぶ男性の声がしたので、ダッシュしました。
最初は廊下だった場所が次第に凸凹とした岩や道になりました。野山で育った経験があるので、山道のようになっていてもダッシュは平気でした。どんどん奥に進むと、目の前には古めの大きな丸太の一本橋が現れました。
後ろから男性が3人ほどきているので、私にためらっている暇などなく、そのままの勢いで渡りきりました。しばらく走っていると、すぐに別の丸太橋がみえたのですが、先ほどと違って人工の滝もありました。この丸太の橋は、人工滝の滝壺にかけられていました。
私の後ろには、男性たちがもうすぐそこまできています。私が橋を渡ろうとしていた時、その滝壺に大きな魚影が見えたかと思うと、大きな水飛沫をあげて飛び上がりました。
すぐそこまで追いついてきていた男性たちはいなくなり、私は悠然と奥の岩陰に泳いで姿を消す黒鯉を眺めているところで目が覚めました。


<イメージ画像 都会を泳ぐ魚(フォトモンタージュ)のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20160638154post-8035.html>

更新日:2022-07-27 10:45:10

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