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日本海軍の創設

挿絵 325*480

日本の近代的海軍は幕末に始まった。1853年、ペリーが来航し開国を求めると、江戸幕府は海防の強化に乗り出した。その一環として、オランダに蒸気軍艦を発注すると共に、1855年には長崎海軍伝習所を設立し、勝海舟らによって海軍士官の養成を開始した。

海軍伝習所は幕府伝習生以外に諸藩の伝習生の受け入れも行ったため、幕府海軍だけでなく有力諸藩も海軍を整備した。幕府は64隻、諸藩合計で127隻の洋式艦船を取得していたとの最近の研究がある。

幕府・各藩ともに所有したのは輸送船が中心で陸兵の輸送を主任務としていたが、幕府海軍は富士山丸や開陽丸といった本格的な軍艦も所有していた。
戊辰戦争では、阿波沖海戦、寺泊沖海戦、宮古湾海戦、箱館湾海戦が発生している。

1868年1月3日に王政復古の大号令が発せられ明治新政府が樹立されたが、新政府は自前の軍艦を保有していなかった。同年4月18日に大阪の天保山沖で実施された最初の観艦式に参加したのは、各藩が保有する艦艇であった。

新政府の最初の艦艇は、5月3日に幕府から引き渡された4隻である。新政府は江戸攻撃を中止する条件として、幕府海軍の全艦艇の引渡しを要求したが、幕府海軍副総裁の榎本武揚はこれに応ぜず4隻のみを引き渡し、自身は8隻を率いて脱走し箱館に蝦夷共和国を樹立していた。

更新日:2022-07-03 09:34:09

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