- 5 / 10 ページ
判断つかない
「市民病院へ行ってください」
開口一番医師は言った。
「え! 総合病院ですか?」
加奈子は驚きを隠せなかった。
今日は二度目の検査結果を聞きに来ただけだ。
「はい。市民病院です」
「何故ですか? 生理不順ですよね?」
加奈子の問いに医師は、
「生理不順。橘さんの場合は月経過多です。それには原因がいくつか考えられます」
医師はパソコン画面からこちらに向き直った。
「月経過多の原因としてまず子宮の問題。ホルモンの問題。血液の病気。それらが考えられます」
加奈子は神妙な顔でうなずく。
「検査も違いますし治療法も違う。市民病院でしたら検査結果はその日のうちに出るから待たなくていい。精密検査は必要ですよ」
「私はそんなに悪いのでしょうか?」
「まだ判断できないというだけです。ただ、検査の結果はあまりいいものではありませんでした。明日にでも行ってください」
「明日ですか! 急には無理です」
「いえ、明日行ってください。ご家族の方も一緒に」
「それは無理です。主人にも仕事があります」
加奈子は首を振る。雄一は仕事人間だ。そう簡単に仕事を休んでくれるとは思えない。
「一刻を争います。明日が無理なら週明けにでも行ってください」
壁に掛けられたカレンダーを加奈子は見る。
今日は木曜日だ。月曜なら雄一も何とか仕事を休んでくれるかもしれない。
「分かりました月曜には行けるようにしたいと思います」
「必ず行ってくださいね。最低でも、次の生理が来るまでに入ってください。また大量の出血になると思いますからその前に」
「分かりました」
今度は加奈子も素直にうなずいた。
次の生理までは二週間ある。それまででいいなら必ず行けるだろう。
受付で紹介状を受け取ると、加奈子は帰途についた。
雄一に、休みを取ってくれるよう何と言って説得するか考えると、頭が痛かった
開口一番医師は言った。
「え! 総合病院ですか?」
加奈子は驚きを隠せなかった。
今日は二度目の検査結果を聞きに来ただけだ。
「はい。市民病院です」
「何故ですか? 生理不順ですよね?」
加奈子の問いに医師は、
「生理不順。橘さんの場合は月経過多です。それには原因がいくつか考えられます」
医師はパソコン画面からこちらに向き直った。
「月経過多の原因としてまず子宮の問題。ホルモンの問題。血液の病気。それらが考えられます」
加奈子は神妙な顔でうなずく。
「検査も違いますし治療法も違う。市民病院でしたら検査結果はその日のうちに出るから待たなくていい。精密検査は必要ですよ」
「私はそんなに悪いのでしょうか?」
「まだ判断できないというだけです。ただ、検査の結果はあまりいいものではありませんでした。明日にでも行ってください」
「明日ですか! 急には無理です」
「いえ、明日行ってください。ご家族の方も一緒に」
「それは無理です。主人にも仕事があります」
加奈子は首を振る。雄一は仕事人間だ。そう簡単に仕事を休んでくれるとは思えない。
「一刻を争います。明日が無理なら週明けにでも行ってください」
壁に掛けられたカレンダーを加奈子は見る。
今日は木曜日だ。月曜なら雄一も何とか仕事を休んでくれるかもしれない。
「分かりました月曜には行けるようにしたいと思います」
「必ず行ってくださいね。最低でも、次の生理が来るまでに入ってください。また大量の出血になると思いますからその前に」
「分かりました」
今度は加奈子も素直にうなずいた。
次の生理までは二週間ある。それまででいいなら必ず行けるだろう。
受付で紹介状を受け取ると、加奈子は帰途についた。
雄一に、休みを取ってくれるよう何と言って説得するか考えると、頭が痛かった
更新日:2022-03-23 13:27:15