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初めての産婦人科

「橘さんどうぞ」
 呼ばれた加奈子は診察室へと入った
「どうしましたか?」
 質問に加奈子は今朝の出来事をかいつまんで話す。
「普段生理痛は重いほうですか? 周期はどれくらいですか」
「生理痛はかなりひどくて、量も多いほうだと思います。ここ5~6年は周期的には来ていません。何か月も空いたり月に二回なることもあります」
「そうですか。不正出血はありませんか? 性交時の出血とか?」
「時々あります」
 あからさまな話をするのは加奈子には恥ずかしい。
「では内診してみましょう」
 内診室に入り椅子に入り椅子に座る。その椅子は自動だ背もたれが倒れ足を広げた格好になった。
「エコー入れますね」
 膣内に何か固い棒状の機械が入れられる。
 画面に映し出された白黒の画像を見て医師は何度かうなずいている。
「内診しますね」
 機械が取り出され医師が指を入れてきた。
 嫌悪感に加奈子は鳥肌が立つ。
「がん検診はしてますか?」
 医師の問いかけに、
「したことありません」
 加奈子は正直に答える。
「わかりました。じゃあ検査しておきますね」
「お願いします」
「ああ。血の塊がこんなにある。とっておきましょう」
「はい」
 診察室に戻ると、
「もっと自分の体に気を使いなさい。女性器は体にとって大切な部分なんですよ」
 若干怒りをにじませて医師は言う。
 その通りなので加奈子は返す言葉がなかった。
「一週間後にがん検診の結果が出るのでその時来てください。痛みがひどいようなら痛み止めを出しますが、どうしますか?」
「お願いします。出血はまだひどくなりそうですか?」
「いや大丈夫でしょう。とりあえず検査の結果を見てからですね。お大事に」
 病院を出ると駐車場で待っていた雄一に診察のことを話す。
「なんだ痛み止めをもらっただけか。それなら家で寝てても同じだったな。早く帰ろう。家の中掃除しないと血まみれだ。まだ飯だった食ってないんだぜ。コンビニによって帰ろう」
 雄一は車を発進させた。
 

更新日:2022-03-17 11:48:02

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