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妹の春香
「すみません。夫が勝手なことを言って」
加奈子が謝罪すると、
「かまいませんよ。ご主人も忙しいのでしょう。急な話ですし」
「どうしても明日入院しなければならないのでしょうか?」
「どうしても明日、というわけではありません。うちも混雑していて、予約で入院となると一か月は先になってしまうのです。そうすると今度の月経も大量出血する恐れがあります。明日、部屋が空いているのはラッキーですよ」
そういわれると加奈子も納得せざるを得ない。またあの出血量の生理は嫌だ。
「ご主人が無理でしたら、他にご家族の方はいらっしゃいませんか? ご両親やご兄弟でも結構ですよ」
加奈子の頭に年の離れた妹の春香が浮かんだ。
「妹でもいいですか?」
「はい。構いません。ただ、説明を受けていただきたいので今日これから来ていただきたいのですが……」
「それはちょっと確認してみないと何とも言えません」
「では確認してみてください。手術の予約は入れてしまいますね」
「分かりました」
「では、妹さんに連絡を取ってみてください。結果は受付の看護師に話してください。何度も言いますが、明日入院できるのはラッキーですよ」
医師の声に送られて診察室を出た加奈子は妹の春香に電話した。
「あ、遥? 私、加奈子。ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
「なんだ。お姉ちゃんか。何の用」
「ちょっと込み入った話なんだけどいいかな。今暇?」
「暇だけど、何?」
加奈子は、かいつまんで今までの話を春香に聞かせた。
「なにそれ! 一大事じゃん。それなのに、雄一さんはそんな態度なの。信じられない」
電話越しに春香の怒りが伝わってくる。
「これから行くから待ってて。市民病院の産婦人科に行けばいいんだよね?」
「そう。ありがとう」
「一時間ぐらいかかっちゃうけど、できるだけ急ぐから」
春香との電話を切った後、看護師に事情を伝えた。
ちょうど昼前という事もあり、説明は一時からと決まった。
春香が来る前に食事を済ませてしまおうと、加奈子は院内のレストランに向かう。
まだ、病院から帰れそうにない。
加奈子が謝罪すると、
「かまいませんよ。ご主人も忙しいのでしょう。急な話ですし」
「どうしても明日入院しなければならないのでしょうか?」
「どうしても明日、というわけではありません。うちも混雑していて、予約で入院となると一か月は先になってしまうのです。そうすると今度の月経も大量出血する恐れがあります。明日、部屋が空いているのはラッキーですよ」
そういわれると加奈子も納得せざるを得ない。またあの出血量の生理は嫌だ。
「ご主人が無理でしたら、他にご家族の方はいらっしゃいませんか? ご両親やご兄弟でも結構ですよ」
加奈子の頭に年の離れた妹の春香が浮かんだ。
「妹でもいいですか?」
「はい。構いません。ただ、説明を受けていただきたいので今日これから来ていただきたいのですが……」
「それはちょっと確認してみないと何とも言えません」
「では確認してみてください。手術の予約は入れてしまいますね」
「分かりました」
「では、妹さんに連絡を取ってみてください。結果は受付の看護師に話してください。何度も言いますが、明日入院できるのはラッキーですよ」
医師の声に送られて診察室を出た加奈子は妹の春香に電話した。
「あ、遥? 私、加奈子。ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
「なんだ。お姉ちゃんか。何の用」
「ちょっと込み入った話なんだけどいいかな。今暇?」
「暇だけど、何?」
加奈子は、かいつまんで今までの話を春香に聞かせた。
「なにそれ! 一大事じゃん。それなのに、雄一さんはそんな態度なの。信じられない」
電話越しに春香の怒りが伝わってくる。
「これから行くから待ってて。市民病院の産婦人科に行けばいいんだよね?」
「そう。ありがとう」
「一時間ぐらいかかっちゃうけど、できるだけ急ぐから」
春香との電話を切った後、看護師に事情を伝えた。
ちょうど昼前という事もあり、説明は一時からと決まった。
春香が来る前に食事を済ませてしまおうと、加奈子は院内のレストランに向かう。
まだ、病院から帰れそうにない。
更新日:2022-04-24 14:38:30